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2018 年度 実施状況報告書

HGF/MET axisの本質的制御によるスキルス胃癌の革新的標的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10610
研究機関金沢医科大学

研究代表者

安本 和生  金沢医科大学, 医学部, 教授 (90262592)

研究分担者 石垣 靖人  金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (20232275)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードHGF / amphiregulin / 特異的増殖誘導 / MEK阻害薬 / mTOR阻害薬 / 相乗的増殖抑制効果
研究実績の概要

①MEK阻害薬+mTOR阻害薬併用によるHGF誘導性増殖抑制効果のさらなる検証(in vitro)
・MEK阻害薬トラメチニブならびに「MEK阻害薬トラメチニブ+mTOR阻害薬エベロリムス併用によるHGF誘導性増殖相乗的抑制効果が、他の数種のMEK阻害薬やmTOR阻害薬でもスキルス胃癌細胞に同様の抑制効果が認められるかを検証した。上記以外の組合せにおいても、スキルス胃癌細胞での相乗的増殖抑制効果を確認した(in vitro)。非スキルス胃癌細胞においても上記と同様の薬剤で検討したが、併用での増殖抑制効果は確認されず、「MEK阻害薬+mTOR阻害薬併用」によるHGF誘導性増殖における相乗的抑制効果はスキルス胃癌特有の効果である可能性が高いことが示唆された。
・新たな知見は、AMED知財リエゾンに相談等、AMEDの支援のもと先行技術調査依頼を実施し、2018年5月26日「びまん性胃癌の治療剤」として特許出願した(特願2018-101086)。
②vivoでの効果検証
・ヒトスキルス胃癌移植癌性腹膜炎発症ヌードマウスモデル(腹水形成時期より治療開始)を用いて、「MEK阻害薬およびmTOR阻害薬ならびに両薬併用」による増殖抑制効果の検証を行った。とりわけ、MEK阻害薬トラメチニブ0.3 mg/kg+mTOR阻害薬エベロリムス1 mg/kgの併用により、著明な生存期間の延長を確認した。2018年11月には、PCT出願に向けてJST「大学等知財基盤強化支援」に申請を行ったところ、医療技術として非常に有用であるものの、類似する技術が見つかり、「進歩性の懸念」の理由で支援という判断には至らなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スキルス胃癌細胞の増殖には、特有の、HGFならびにEGFRリガンドamphiregulin増殖誘導機序が関与することを初めて明らかにし、その特有の増殖細胞内シグナル伝達系を解明し、効果的な阻害薬の発見から今なおアンメットメディカルニーズであるスキルス胃癌に対する革新的胃癌治療法の開発を目的にスタートした。研究を進める中で、MEK阻害薬およびmTOR阻害薬ならびに両阻害薬の併用が相乗的抑制効果を発揮することを突き止め、in vivoにおいても本病態特異的モデルを用いて抗腫瘍効果の検証を行った。興味深いことに、両シグナル分子の阻害は、著明な生存期間延長をもたらしうることが判明した。
これらの新たな知見は、AMED知財リエゾンに相談等、AMEDの支援のもと、先行技術調査依頼を実施し、本年度特許出願(特願2018-101086)に至ることができたため。

今後の研究の推進方策

今後、PCT出願を終えたところで、ライセンスの導出ならびに産学連携による共同研究を視野に製薬企業と交渉を図る予定である。

次年度使用額が生じた理由

これまでの研究成果を早期に論文化する方針であったが、AMED知財リエゾンに相談した際、特許取得を目指せる内容と総合的に判断したことで、学会発表や論文発表のための経費が一部削減されたため。
今後、スキルス胃癌をはじめ、非スキルス胃癌やMet遺伝子増幅胃癌のvivoでのさらなる効果検証を控えている。また今回特定したスキルス胃癌特異的増殖シグナル経路以外の経路についても検索検討中である。そのため資金面で最終的な余剰は生じない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 特許権2018

    • 発明者名
      安本 和生
    • 権利者名
      安本 和生
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      101086

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公開日: 2021-01-27  

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