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2019 年度 実績報告書

HGF/MET axisの本質的制御によるスキルス胃癌の革新的標的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10610
研究機関金沢医科大学

研究代表者

安本 和生  金沢医科大学, 医学部, 教授 (90262592)

研究分担者 石垣 靖人  金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (20232275)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードスキルス胃癌 / MEK阻害薬 / mTOR阻害薬 / マクロファージ / MCP-1(CCL2)
研究実績の概要

スキルス胃癌特有の細胞増殖機構解明から特異的な細胞内シグナル伝達系の活性化を明らかにし、阻害薬(MEKならびにmTOR)を用いたin vitroならびにin vivoの検討からその有用性を確認し2018年特許申請、2019年にはPCT出願を行ってきた。
スキルス胃癌細胞の増殖には、間質線維芽細胞由来パラクリンHGFが特異的に関与する。本最終年度は、高度増生する線維芽細胞のbiologyにスポットを当て研究を進めてきた。
その結果、①線維芽細胞増殖能が最も顕著なHB-EGFは、amphiregulin刺激でマクロファージより産生誘導されることが判明した。②マクロファージの腫瘍局所の豊富な集積とHB-EGFの高産生が蛍光ダブル染色法による免疫染色により明らかとなった。③びまん性胃癌細胞からのAmphiregulin産生は、線維芽細胞由来HGF刺激により10倍産生が誘導された。④腫瘍局所へのマクロファージの遊走集積は、CCR2/CCL2 axisの関与が想定された。すなわち、増生する線維芽細胞は豊富なMCP-1(CCL2)を産生誘導し、そのレセプターであるCCR2を高発現するマクロファージの腫瘍局所に集積する重要な機序が明らかとなった。一方、スキルス胃癌細胞からのMCP-1(CCL2)分子の産生誘導は認められなかった。
以上の研究結果から、スキルス胃癌特有の病態形成には、スキルス胃癌特有の線維芽細胞が豊富なパラクリンHGF産生から癌細胞上のMET受容体を介したシグナル活性化が主に関与し、細胞内シグナル経路MAPK/MEK系とPI3K/mTOR系を活性化、これら経路は相互に補完しあうことも判明した。本病態特有の線維芽細胞高度増生にマクロファージと線維芽細胞とのCCR2/CCL2 axisを介した局所集積・活性化が本病態形成に重要な役割を果たすことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [学会発表] The role and biology of tumor-associated stroma progressing in scirrhous gastric cancer2019

    • 著者名/発表者名
      葛西 傑、安本和生、川島 篤弘、元雄 良治
    • 学会等名
      第91回日本胃癌学会総会
  • [学会発表] Distinctive cancer-associated fibroblasts are involved in scirrhous gastric cancer2019

    • 著者名/発表者名
      葛西 傑、安本 和生、川島 篤弘、松本 邦夫、矢野 聖二、元雄 良治
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術総会
  • [産業財産権] 特許権2019

    • 発明者名
      安本 和生
    • 権利者名
      安本 和生
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2019/020689
    • 外国

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公開日: 2021-01-27  

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