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2021 年度 実績報告書

食道癌術中における、食道標本からの遊離癌細胞散布リスクの解明と散布予防策の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K10612
研究機関近畿大学

研究代表者

加藤 寛章  近畿大学, 医学部, 講師 (30460900)

研究分担者 安田 卓司  近畿大学, 医学部, 教授 (10324782)
今本 治彦  近畿大学, 医学部, 教授 (80351609)
今野 元博  近畿大学, 大学病院, 教授 (00278681)
木村 豊  近畿大学, 医学部, 准教授 (80716994)
新海 政幸  近畿大学, 医学部, 講師 (80340793)
安田 篤  近畿大学, 医学部, 講師 (60351615)
白石 治  近畿大学, 医学部, 講師 (70388536)
岩間 密  近畿大学, 医学部, 講師 (20548648) [辞退]
平木 洋子  近畿大学, 大学病院, 助教 (10709661)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード食道癌 / 遊離癌細胞
研究実績の概要

胸部食道癌に対する食道切除術において、食道は胸部操作終了時に口側もしくは肛門側の一方を切離した状態で胸腔内に残し、引き続きの腹部もしくは頸部操作時で体外に摘出するのが一般的である。そのため摘出までの数時間は、胸腔内は食道から出る漏出液に曝される。本研究は、手術中に食道から漏出する液中の遊離癌細胞の陽性頻度、陽性症例の臨床病理学的特徴、再発率、再発形式を明らかにすることである。
2019年1月~2021年10月に63例で本試験登録。①胸腔内操作終了前に口側もしくは肛門側を切離した食道に滅菌カバー袋をつけ、密閉。②腹腔内操作もしくは頸部操作時に食道標本を体外に摘出してから、袋内部に溜まった液を採取。③採取した液を細胞診に提出。また、手術開始時、胸部操作終了時、腹部操作終了時に胸腔内洗浄液を採取し、カバー袋による散布予防効果も検討した。なお、現在は診断精度向上のためセルブロック法を追加し、これまでに8例の解析を行った。
63例中3例(4.8%)で食道標本からの遊離癌細胞が陽性(2例:細胞診陽性、1例はセルブロックのみ陽性)であった。3例中2例で再発を認め、いずれも多発遠隔転移であった。1例には胸膜播種と考えられる胸水貯留、PET-CTでの胸膜への集積を認めた。また、術中に採取した胸腔内洗浄細胞診はすべての症例で陰性であり、カバー袋による散布予防効果が示された。
本研究で食道癌術中の胸部操作終了後~標本摘出までの間に食道から遊離癌細胞が漏出することを明らかにした。カバー袋により胸腔内散布は予防できるものの、それによる胸膜播種予防効果、予後改善効果は不明ではある。ただし、漏出する症例があることが判明した以上は、胸部操作終了時に食道にカバーをし、散布予防に努めるべきと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 食道癌術中における、食道からの遊離癌細胞散布リスクの検討2022

    • 著者名/発表者名
      加藤寛章
    • 学会等名
      第77回消化器外科学会総会

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公開日: 2022-12-28  

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