研究課題
microRNA(以下、miRNA)が癌の発生・進展に密接に関与することが報告されている。今回、食道扁平上皮癌患者におけるmicroRNA-106b-25 clusterの動態また、それらの患者血液中での発現解析ならびに新規バイオマーカーとしての有効性の検証を行うことを目的とした。microRNA-106b-25の、miR-106b、93、25について千葉大学での患者血清サンプル55検体(健常コントロール39検体)をtest cohort、千葉県がんセンターでの患者血清サンプル101検体(健常コントロール34検体)をvalidatioin cohortとした。real time PCRでの解析の結果、いずれのcohortにおいてもmiR-106bの発現のみ健常者血清に比較し有意に発現が低値であることが確認された。また、食道癌組織検体30例を用いて正常部および癌部での発現を確認したところいずれのmiRの発現も癌部、正常部で有意な発現の差を認めなかった。一方で、microRNA-106b-25 clusterの配列を有するhost geneであるMCM7(mini-chromosome maintenance 7)遺伝子は癌部での発現が有意に高かった。また組織検体でのCNVの解析においても癌部、正常部でMCM7遺伝子に差を認めなかった。またこれら血清中のmiR存在のメカニズムとしてexsomeを介した能動的な分泌機構の関与が示唆されたため、血清中におけるexsome画分と、totalでのそれぞれのmiRの発現を確認するも、有意な差を認めず、exsomeの関与は大きくないものと考えられた。報告済みである食道扁平上皮癌患者血清中で発現が上昇すると考えられるmiR-1246と今回検討したmiR106bのratioでの解析では個別での感度、特異度より良好である傾向を認めた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
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