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2017 年度 実施状況報告書

核Notchを標的とするガンマセクレターゼ阻害による大腸癌治療

研究課題

研究課題/領域番号 17K10621
研究機関東京大学

研究代表者

野澤 宏彰  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80529173)

研究分担者 川合 一茂  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80571942)
畑 啓介  東京大学, 医科学研究所, 助教(移行) (60526755)
渡邉 聡明  東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80210920) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードNotch / γセクレターゼ阻害 / Jagged-1
研究実績の概要

当教室での大腸癌臨床検体を用いた過去の検討では、核内NOTCH1やNOTCH3の高発現症例では治癒切除後の無再発生存率や全生存率などの予後が不良である。核内Notchの増加はもともと細胞膜にあるNOTCHがγセクレターゼによるcleavageを受けることに一因があることから、γセクレターゼ阻害は大腸癌の治療に貢献する可能性を示唆するものであり、本研究はNOTCHが治療の標的となりうるかを検討する目的で開始した。
初年度は、当実験における有効な細胞株と抗NOTCH1-4抗体の組み合わせをスクリーニングする目的で、細胞染色法による抗NOTCH抗体の核移動を検討した。ヒト大腸癌細胞株としてHT29、SW480、LoVo、CACO2の4株を用いることとし、γセクレターゼ阻害薬(GSI)として塩酸ドネペジルを用いた。またNOTCH刺激剤としてJagged-1タンパク質を用いた。
GSI投与群はGSI濃度2.5μM、10μM、培養時間は36時間、72時間で条件検討することとした。Jagged-1投与群は過去の報告から濃度10μMで十分な効果が見込めると判断し、細胞固定の直前30分間の培養とした。細胞株LoVoとCACO2、抗NOTCH抗体1と3で、Jagged-1投与下で核内へのNOTCH取り込みの亢進が認められ、GSI投与群でその阻害が確認された。GSI濃度では2.5μMでは明らかな変化を認められなかった。GSI投与下培養時間も36時間では明確な変化はなかった。
この結果を受けて、LOVO株とCACO2株、抗NOTCH抗体1と3の組み合わせで、GSI投与群は濃度10μM、72時間培養とし、実際にGSI投与における抗NOTCH効果をウェスタンブロッティング法により定量的に確認する実験とNOTCHシグナル系の下流因子であるHES、HEYタンパク等の定量PCRの準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大腸癌細胞株CaCO2, SW480, LoVo, HT-29を用いて、核Notch1-4のNICDの発現が、実験ごとに異なる結果を得て、結果の解釈に時間を要した。核や細胞質のNotch1-4発現を検討することはできたが、さらに下流の因子であるHES-1, Hey-1, SOX9, cyclin D, STAT3, p21, RUNX2, Snail1/2, AKT, Math, CD133, Nestin の発現や細胞増殖を客観的に評価できる段階には至っていない。

今後の研究の推進方策

Notch1-4の下流の因子の発現や細胞増殖、細胞周期、アポトーシスなどの観点から解析するとともに、in vivoで大腸癌細胞株のマウス皮下腫瘍モデルを用いたガンマセクレターゼ阻害剤の効果を検証する実験にとりかかる準備を行う。

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公開日: 2018-12-17  

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