研究分担者 |
清松 知充 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (00625303) [辞退]
川合 一茂 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80571942)
野澤 宏彰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80529173)
渡邉 聡明 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80210920) [辞退]
石原 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00376443)
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研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎(UC)患者においてUC関連大腸癌(UCAC)と術後の回腸嚢炎の発症は臨床的な課題である。そこで、日本人UC患者におけるUCAC/High grade dysplasia(HGD)と術後の回腸嚢炎発症のリスク因子となる一塩基多型(SNP)を明らかにすることを目的とした。 1989年から2016年までに当科において回腸嚢造設を行い2年以上のフォローアップをした91例のUC症例を対象とし、臨床病理学的因子と、既報から選出したUCAC発症と日本人炎症性腸疾患発症に関連した一塩基多型(SNP)を解析した。解析対象SNPはELF1 (rs7329174), FCGR2A, (rs1801274), IL-1β (rs1143627), ITLN1 (rs2274910), MHC (rs7765379), TNFα (rs1799964), TNFSF15 (rs3810936), UHMK1 (rs768910)とした。 その結果、91例中全回腸嚢炎は22例 (24.2%)、慢性回腸嚢炎は13例 (14.3%)に発症した。UCAC/HGDは23例(25.3%)だった。多変量解析では、IL-1B (rs1143627) TT genotype [HR 2.425, 95% CI 1.049ー5.61]と腸管外合併症(EIM) [HR 3.313, 95% CI 1.325ー8.289]が、独立した回腸嚢炎発症のリスク因子だった。また、慢性回腸嚢炎に関してもEIM [HR 4.231, 95% CI 1.376ー13.01]およびIL-1B(rs1143627) TT genotype [HR 3.554, 95% CI 1.161ー10.88]が独立したリスク因子であった。一方、今回解析を行ったSNPとUCAN発症との関連はみられなかった。
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