研究課題/領域番号 |
17K10628
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
問山 裕二 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00422824)
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研究分担者 |
井上 靖浩 三重大学, 医学系研究科, 客員准教授 (20324535)
楠 正人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50192026)
荒木 俊光 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (70343217)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 癌化 / バイオマーカー / DNAメチル化 |
研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患は、治療法の改善により内科的治療が奏功し、外科的治療の適応が減少している。一方長期罹患し微小慢性炎症による発癌は依然と問題で、潰瘍性大腸炎に合併する癌化症例は今後も増加すると考えられている。現在行われている大腸内視鏡による癌化サーベイランスプログラムは、患者への侵襲的負担が大きく、医療費の高騰にも大きく関与している。本研究は、潰瘍性大腸炎における炎症性発癌のメカニズムをエピゲノムの観点(特にDNAメチル化)から解明し、有用なマーカーを見出すことにより、さらに安全で確実な検出方法を確立することを目的としている。これにより不必要なサーベイランス検査を省略することが可能となり、患者への負担だけでなく医療費の削減にも寄与することが期待される。 昨年度は、潰瘍性大腸炎切除例の大腸標本を用い、網羅的DNAメチル化解析を行うことで大腸部位依存的、粘膜年齢依存的かつ悪性新生物依存的メチル化するCpGサイトを選択することができた。さらに、癌非合併潰瘍性大腸炎患者の直腸粘膜に比べ、癌合併潰瘍性大腸炎患者の直腸粘膜で有意にメチル化レベルが高いまたは低い遺伝子群を網羅的全ゲノム 解析にて同定できた。 本年度は同定されたDNAメチル化部位を用いた潰瘍性大腸炎癌化リスク診断法の確立のために当科で集積した多数の潰瘍性大腸炎大腸粘膜を用いた後ろ向きの再現生の検証を行い、良好な結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、同定されたDNAメチル化部位を用いた潰瘍性大腸炎癌化リスク診断法の確立のために当科で集積した多数の潰瘍性大腸炎大腸粘膜を用いた後ろ向きの再現性の検証を行い、良好な結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得られた結果を、学会、論文等で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進んだため
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