研究課題
抗EGFR抗体薬に対する獲得耐性の原因にはRASシグナルカスケードに関与する遺伝子群における獲得体細胞変異が報告されている。しかしながら、これら獲得体細胞変異はNGSを用い探索を行っても、獲得耐性を呈する患者の半数ほどにしか認めることはできない。我々は、これら報告を鑑み、獲得耐性には、RASシグナルカスケード下流に位置する遺伝子群における遺伝子変異ではない、DNAのメチル化異常を中心としたepigenetic変異が関与しているとの仮説を立て、それらepigenetic変異を同定することを目的に本研究を開始した。Epigeneticバイオマーカーの探索では、RASシングルカスケードに関与し、そのプロモーター領域にCpG islandを持ち、そのCpG islandにおける異常メチル化と遺伝子発現の関与が報告されている遺伝子群に着目した。TCGA から、メチル化アレイ結果を入手可能なcolon adenocarcinoma 333症例を対象に、それぞれ485000 probeの中から当該遺伝子に相当するprobeを抽出し、そのメチル化解析をβバリューの平均にて比較を行い、腫瘍特異的にメチル化が起きている領域及び遺伝子群の抽出を行った。ついで、それら領域を、大腸癌凍結標本から得られたDNAを用い解析を行い、その再現性の確認を行った。 次に、そのepigeneticバイオマーカー候補を抗EGFR抗体にて治療された患者の大腸癌原発巣・転移巣組織及び化学療法開始前・不応後血液を用い解析を行い、変動するepigeneticバイオマーカーを抽出している。 これら変動するepigeneticバイオマーカーは、独立した臨床試験の検体を用い検証を行う予定であり、現在、予定期間内(~2019年10月30日)に合計55症例が登録され、解析及び追跡機中である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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