研究課題/領域番号 |
17K10635
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
飯田 通久 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50554797)
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研究分担者 |
硲 彰一 山口大学, 医学部, 教授(寄附講座等) (50253159)
坂本 和彦 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50420526) [辞退]
鈴木 伸明 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50526910)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 癌間質 / miRNA / 肝転移 |
研究実績の概要 |
癌間質は癌細胞とクロストークをすることにより、癌細胞の悪性化に関わっているとされ、その働きが近年注目されている。しかし、癌進展に関わる癌間質のmiRNAプロファイルについては、まだ十分明らかになっていない。先行研究のmiRNAアレイによる網羅的解析により、大腸癌進展と関連する癌間質のmiRNAとしてmiR221および222を同定したため、大腸癌間質におけるmiR221および222発現について検討した。 当科で切除された進行大腸癌101例の原発巣からlaser capture microdissection(LCMD)にて癌間質を切り出し、qPCRを行い、癌間質における発現から高発現群と低発現群にわけ、2群における肝転移等の臨床病理学因子と予後について検討した。また同様に癌細胞も同時にlaser capture microdissectionで切り出し、同様に予後について検討した。 miRNAアレイによる網羅的解析の結果、原発巣癌間質において、miR221およびmiR222はCCH+で有意に高かった。さらにqPCRによる発現解析では、miR221高発現群では低発現群に比較して肝転移、遠隔転移、脈管浸潤が多く、全生存期間が不良であった。同様にmiR222高発現群では低発現群に比較して肝転移、遠隔転移が多く、全生存期間が不良であった。一方、癌細胞におけるmiR221およびmiR222発現と臨床病理学的因子の間に有意な相関はなかった。癌間質における2つのhighly homologous miRNA, miR221およびmiR222の過剰発現は大腸癌進展に関連している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書で予定していた100例以上での大腸がん切除標本でlaser capture microdissectionを行い、PCRを施行できたため
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今後の研究の推進方策 |
癌間質のmiRNAとしてmiR221および222の局在を判定する目的で、ISHを施行する予定。 またほかの大腸がん肝転移にかかわるmiRNAを同定する予定
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次年度使用額が生じた理由 |
必要経費として計上したPCR用製品の一部が本研究の予備実験で使用したものを使用することができたため、次年度分に繰り越す予算を確保できた。また翌年のISH用製品は高価で30年度予算では足りない恐れがあるため。
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