研究課題/領域番号 |
17K10649
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
堀江 久永 自治医科大学, 医学部, 教授 (20316532)
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研究分担者 |
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
鯉沼 広治 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20382905)
山口 博紀 自治医科大学, 医学部, 教授 (20376445)
井上 賢之 自治医科大学, 医学部, 講師 (80375279)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 直腸癌 / 放射線療法 / アデノシン / 免疫療法 / abscopal effect |
研究実績の概要 |
1. LuM-1はCD73を発現しており、その発現強度はRTによって増強する事が確認できた。また、皮下腫瘍内濃度をLC-Massで測定すると、RT後24時間時のアデノシンは有意に上昇し、48時間後には代謝産物イノシンが有意に上昇していた (p = 0.048)。 2. マウス大腸癌自然肺転移モデルにて、皮下接種後12、14、16日目に4Gy×3回、腫瘍局所に限局した照射を行い、免疫療法として接種後12、14、16、19、22、25日目に抗CD73抗体 (TY/23: RT+Anti-CD73群) およびRat IgG2a isotype control (clone 2A3; RT+Isotype control群) 200microgrの腹腔内投与を付加、28日目に安楽死させ、皮下腫瘍の重量と肺の肉眼的転移結節個数を測定した。RT+Anti-CD73群では、RT+Isotype control群と比べ、接種後19日目より腫瘍容積の増大抑制を認め、28日目の重量は有意に低下していた (p<0.05)。また、肉眼的転移結節個数も有意に減少しており、半数 (4/8) で肺転移は認めなかった。 3.接種後18日目に安楽死させ、腫瘍組織と脾臓細胞を摘出し、免疫細胞のフェノタイプをFACSにて解析したところ、脾臓内CD4陽性、CD8a陽性細胞におけるIFN-gamma陽性細胞の割合は、RT+Anti-CD73群で有意に高かった。腫瘍浸潤T細胞においても同様の傾向が認められた。 4. 術前CRTを受けた直腸癌組織では腫瘍細胞と間質にCD73の発現を認めたが、その染色形態は症例間で著しく異なっていた。CD73の発現強度でRFSを比較すると、間質高発現群は低発現群と比較して有意に再発しやすく (p = 0.049)、特に、腫瘍細胞と間質で共に高発現していた群はその他と比較して非常に再発率が高く、生存率も有意に悪かった。
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