研究課題
正常肝細胞と肝細胞癌(HCC)におけるTSP-1のタンパク発現量を比較するとHCCではTSP-1の発現が低下していた。8つHCC cell line(HepG2、HLF、SK HEP1、HuH7、HuH1、PLC/PRF/5、HLE、Li7)からタンパクを抽出後、Western blottingを行い、定量的に評価を行い、TSP-1発現量からTSP-1高発現群とTSP-1低発現群に分けた。高発現群よりHepG2を、低発現群よりPLC/PRF/5を選定した。この2群に対して、マルチキナーゼ阻害薬であるsorafenibを投与するといずれも濃度依存的に増殖の抑制が見られたが、PLC/PRF/5に比較してHepG2で強い増殖抑制効果が認められた。TSP-1高発現のHCCに対してsorafenibが高い抗腫瘍効果を示すことが示唆された。そこで、TSP-1タンパク発現の上流に位置するp38 MAP kinaseに対するinhibitorであるSB203580に着目した。HepG2にsorafenibとともにSB203580を添加すると増殖能の上昇が見られた。
4: 遅れている
zenograft modelマウスとしてヌードマウスを使用し、マウス肝左葉被膜下にHCC細胞を接種したが、腫瘍細胞が定着せず、腫瘍結節を形成することに成功していない。
HCC cell lineのxenograft modelとして適切なcell lineを選定し直す必要がある。また、今回、切除不能進行肝細胞癌に対して、臨床的に用いられているsorafenibの抗腫瘍効果がTSP-1の発現に影響されている可能性があり、そのメカニズム解明を行う。
試薬、消耗品費については、医局保管のものを使用することが出来た。研究費は主に試薬などの消耗品購入費に充てるほか、情報収集や研究成果発表にかかる学会出張旅費に充てたいと考える。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
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