研究実績の概要 |
下記については、”Impact of tumour budding grade in 310 patients who underwent surgical resection for extrahepatic cholangiocarcinoma”(Ogino M, Nakanishi Y, et al. Histopathology.74(6):861-872,2019)にて発表した。 1) TBと臨床病理学的因子、ならびに術後予後の関係の解明 TB gradeについてはPHCCにおいてTB数0-4, 5-11, 12≦の3群に、DCCにおいては0-4, 5≦の2群に分類され、いずれの症例群においてもTB gradeがhigh gradeになるに従い、有為に予後不良であり、浸潤に関する臨床病理学的因子の悪化、リンパ節転移の増加を認めた。 2)TBとEMT関連タンパク発現との関係 E-cadherin陽性かつVimentin陰性をepithelial phase、E-cadherin陰性かつvimentin陽性をmesenchymal phaseとした場合、Epithelial phaseはmesenchymal phaseと比較して優位にTB数が少ないことが判明した。よって、TB数は腫瘍先進部におけるEMT変化を反映していることが示唆された。 また、少数例における予備研究として、少数のリンパ節転移陽性例における原発巣のa)中心、b)腫瘍先進部、c)リンパ管内、転移陽性リンパ節のd)周囲リンパ洞、e)リンパ節転移巣におけるE-cadherinの染色態度の検討を行なったところ、a)陽性→b)陰性→c)陽性→d)陽性→e)陽性となることが多かった。このことからEMTは通常考えられているより、腫瘍が原発巣から脈管に侵入するまでの短い期間でのみ起こっている変化であることが示唆された。
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