研究課題/領域番号 |
17K10704
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
今井 克憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60555746)
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研究分担者 |
中川 茂樹 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10594872)
東 孝暁 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (70594878)
林 洋光 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (80625773)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膵癌 / 腫瘍微小環境 / PD-L1 / マクロファージ / TNF-α |
研究実績の概要 |
当科および関連施設にて外科的切除を施行した膵癌235例を用いて、膵癌腫瘍微小環境を形成する免疫担当細胞であるCD8陽性T細胞、regulatory T細胞、腫瘍浸潤マクロファージ、および膵癌細胞のPD-L1の発現を免疫染色にて網羅的に解析した結果、癌細胞におけるPD-L1や腫瘍浸潤マクロファージ、CD8陽性T細胞が膵癌切除術後の再発および予後に影響を与えることが示されたが、サルコペニアとの相関は示されなかった。そこで、腫瘍浸潤マクロファージに注目し、膵癌細胞におけるPD-L1の発現との相関を調べたところ、両者に有意な相関が認められた。膵癌細胞株と活性型マクロファージの共培養の系にて実験を行い、膵癌細胞におけるPD-L1の発現は、マクロファージが分泌するTNF-αにより制御されていることが証明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定とは異なってきたが、膵癌の免疫学的微小環境、特に膵癌細胞におけるPD-L1の発現機序の解明につながった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はマクロファージが分泌するTNF-αが、どのような経路を介して膵癌細胞におけるPD-L1の発現をregulateしているかの解明を目指したい。さらに、現在さまざまな癌腫で認可され注目を浴びている抗PD-L1抗体薬と抗TNF-α薬の相乗効果等を、in vivoの系を用いて検証していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬、消耗品等については、医局保管のものを使用することが出来た。 研究費は主に試薬などの消耗品購入費に充てるほか、情報収集や研究発表にかかる学会出張旅費に充てたいと考える。
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