• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

臨床応用を目指した膵癌の局所進展・神経浸潤に与えるGirdinの作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K10709
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

佐藤 崇文  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (10747257)

研究分担者 齊藤 健太  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (10770240)
松尾 洋一  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40381800)
今藤 裕之  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (80790641)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード膵癌 / Girdin / 浸潤能 / 血管新生
研究実績の概要

膵癌は5年生存率が5%前後と最も予後の悪い疾患の一つで,治療が極めて困難である.その原因の一つとして,膵癌は隣接する主要血管に浸潤しやすいことや,周囲の神経叢へ非常に浸潤しやすいことが挙げられる.Girdinは2005年に本邦で発見された細胞内タンパクで,細胞骨格を形成するアクチン線維と結合し,細胞運動に深く関与している.我々は食道癌において,Girdinが腫瘍細胞の浸潤に深く関与し,臨床的な長期予後にも相関していることを報告してきた.これらの研究結果を踏まえ,平成29年度は以下の研究を行った(科研費申請時の通し番号で記載).
(1)Girdinの膵癌におけるmRNAレベルでの発現(real time PCR):すべての膵癌細胞株でGirdinの発現を認めた.特に,血管新生因子であるVEGFおよびIL-8が恒常的に高い株(BxPC-3)では,Girdinの発現も高かった.我々は既に,膵癌の浸潤・転移において,血管新生と相関があることを報告してきた.
(3)siRNA法によりGirdinをノックダウンし,real time PCRですべての膵癌細胞でGirdinの発現が低下したことを確認した.
現在,血管新生因子に着目して,膵癌細胞株およびGirdinをノックダウンした株(siGirdin株)において,血管新生因子の変化を検討している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膵癌細胞株のノックダウンの安定に時間を要したことが一つの要因として考えられる.また,血管新生に着目した研究体系を追加したことで,予定外の実験が加わったことも大きな要因と考えられる.

今後の研究の推進方策

これまでの研究結果をもとに,安定してsiGirdinを得られるようになったため,通常株とsiGirdin株を用いた研究体系を進める.平成30年度は以下の研究を計画(科研費申請時の通し番号で記載,追加研究については新規に記号を付記).
(4)Girdinが膵癌細胞の浸潤能に与える影響について浸潤アッセイを用いて評価する.
(追加)(A)Girdinが膵癌細胞の血管新生に与える影響について検討.(A-1)siGirdin株におけるVEGFおよびIL-8などの血管新生因子の変化をreal time PCRやELISAを用いて評価する.(A-2)既に当教室で確立している血管新生アッセイを用いて,HUVECまたはHUVEC+線維芽細胞と共培養を行う.siGirdin株との共培養によって,HUVECの管腔形成能などを評価する.
(8)臨床検体を用いた膵癌におけるGirdinの発現の評価:臨床検体の免疫染色によってGirdinの発現を評価する.正常膵,膵癌症例に留まらず,慢性膵炎症例についても評価を検討する.

次年度使用額が生じた理由

研究にやや遅れがあり,予定通りの研究が進められていないのが理由であるが,新規研究内容を含め,次年度に計画通り進める予定である.

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi