研究課題/領域番号 |
17K10709
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 崇文 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (10747257)
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研究分担者 |
齊藤 健太 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (10770240)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40381800)
今藤 裕之 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (80790641)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膵癌 / Girdin / 血管新生因子 / VEGF-A / IL-8 / 移動能 |
研究実績の概要 |
2017年度,膵癌細胞株におけるmRNAレベルでのGirdinの発現をreal time PCRで確認し,siRNA法によるGirdinのノックダウンをおこなった.これを踏まえて,2018年度は以下の検証を行った, ①Girdinをノックダウンした細胞株における血管新生因子の発現をreal time PCRで検証したところ,一部の細胞株では,si-Girdinにおける血管新生因子VEGF-AおよびIL-8の発現低下を認めた.タンパクレベルでの発現変化の検証にELISAを用いたが,si-Girdinにおけるタンパクレベルでの産生低下については,有意かつ安定した結果が得られなかった.これには,細胞上清の回収時期や処理の方法などの要因が考えられ,再考が必要と考えている. ②発現形としての血管新生の検証に,当初はDouble chamber共培養によるAngiogenesis assayを予定したが,期間を要する実験系であることから,On Matrigel tube formation assayで,短期間的に血管新生の変化を検証することした.しかし,HUVECの培養が不安定であることや,前述の細胞上清の回収時期などの影響のため,有意な管腔形成の変化が検証できていない. ③si-Girdinにおける移動能の検証にWound Healing assayを行ったが,si-Girdinで有意にWound Healingが低下する結果には至っていない.Wound Healing assayにおける「傷つけ」方法や,細胞株の刺激因子の関与,観察部位の差異(ウェルの中央や端で異なる)などの再考の余地がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タンパクレベルでの血管新生因子の産生変化が安定せず,細胞上清の回収時期や処理の方法などの要因が考えられ,再考の余地があると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
・血管新生アッセイ:Girdinのノックダウン株を用いて,HUVECおよびFibroblast cellとの共培養を行い,実際の血管新生に対する抑制効果を検証する. ・Wound Healing assay以外に移動能を評価するものとして,Boyden double chamber法を用いたMigration assayも行う.また,浸潤能に与える影響の評価目的にInvasion assayも行う. ・膵癌臨床検体を用いてGirdinの発現を評価し,発現強度や分布でスケーリングを行い,臨床背景因子との比較検討を行う.
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