研究課題/領域番号 |
17K10712
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐田 尚宏 自治医科大学, 医学部, 教授 (20261977)
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研究分担者 |
三木 厚 自治医科大学, 医学部, 講師 (20570378)
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
佐久間 康成 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10296105)
福嶋 敬宜 自治医科大学, 医学部, 教授 (40384937)
大澤 英之 自治医科大学, 医学部, 講師 (60458271)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
藤井 博文 自治医科大学, 医学部, 教授 (80438613)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マイクロRNA / 膵癌 / 化学療法 |
研究実績の概要 |
膵癌は治癒切除された症例でも5年生存率が20%程度と言われている難治性癌である。本邦で行われた膵癌手術症例の術後補助化学療法の無作為化比較試験では治療成績の向上が得られたが、その効力は十分とは言えない。一部には再発が無く長期生存が得られている症例が存在するが、どのような症例で良好な治療効果を得られるかわかっていない。良好な治療効果を予測する因子が明らかになれば、適切な薬剤の選択や、不要な有害事象の回避などを通して治療の個別化に貢献できる。本研究ではマイクロRNAの網羅的解析から膵癌の術後補助化学療法の効果と感受性に関わる分子を探索し、治療効果や予後の予測因子を見出すことで膵癌治療戦略の構築に貢献することを目的としている。 最初に条件設定とTraining studyを行う必要があり、当施設での膵臓手術症例を対象として研究を開始した。膵臓癌手術症例の術後補助化学療法の有無と種類、臨床病理学的因子、腫瘍学的予後などの情報を後方視的に収集し、対照群として膵臓癌以外の膵切除症例についても情報を収集した。倫理委員会に申請し承認を得た後に、手術標本から切片を薄切し、レーザーマイクロダイセクション法で癌部を選択的に切り出してRNAを抽出した。RNAは品質チェックを行いその後の実験に使用可能なことを確認した。今後はRNAの抽出作業を継続して行いながら、早期再発例と長期無再発例のサンプルを用いて網羅的解析を行い、それぞれに特徴的なマイクロRNAを同定していく。絞り込まれたマイクロRNAは、細胞株を用いた細胞増殖、細胞死、浸潤性などの実験を行い膵癌における機能解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究基盤整備としてプロトコル作成と倫理審査を進めていたが他施設との連携が難しく、当施設の症例を優先して解析することにした。当施設での倫理審査は完了し解析を開始しているが全体としては遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
収集できたサンプルから順に抽出処理とマイクロRNA発現解析を進めていく。一定の傾向が見られた段階で、候補となるマイクロRNAを対象にin vitroの実験を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体の進行が遅れているが今後はマイクロアレイでの網羅的解析やPCRを用いた多数検体での解析が予定されている。これまでの年度より多くの費用を要することが見込まれるため、上記の使用額が発生した。
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