研究課題/領域番号 |
17K10716
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
山本 久仁治 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (00375073)
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研究分担者 |
玉井 恵一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (40509262)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 胆管癌 |
研究実績の概要 |
近年、抗癌剤抵抗性の主因として、「がん幹細胞」の存在が示唆されている。しかし、現在まで明らかな効果のある「抗がん幹細胞」治療は存在しない。これまで私たちは、胆道癌における新規がん幹細胞関連遺伝子のスクリーニングを行ってきた。その結果、CD274 低発現細胞は静止期に局在し、CD274(PD-L1)ががん幹細胞に対して抑制的に働くことを見いだした。(Tamai,et al. Cancer Science, 2014) 更に、胆道癌症例の解析では、(これまで報告のある膵癌や肺癌での結果とは逆に)CD274低発現症例は予後不良であることも明らかにした。従って、CD274 は胆道癌においては有効な治療ターゲットとはならないことが考えられた。そこで、私たちはCD274 低発現分画で高発現している機能性分子を探索することで、新たな治療ターゲットを見いだそうとした。マイクロアレイを用いたスクリーニングの結果、X遺伝子の発現がCD274低分画で高発現しており、ノックダウンすると造腫瘍能が著しく低下した。X遺伝子 が発現すると、がん細胞は静止期に移行し、抗癌剤耐性を獲得する。このことから申請者は、X遺伝子 およびその下流シグナルを阻害すれば、胆管癌の治療抵抗性を減弱させられると考えた。本申請課題では、そのための詳細な分子機構の解明および阻害化合物の探索を行う。 本年度は阻害化合物の実験系を確立した。nanoluc融合X遺伝子発現ベクターを作成し、胆管癌細胞株に安定発現させた。siRNAによってルシフェラーゼ活性は低下し、MG132刺激によって増加した。この実験系を用いて、現在化合物ライブラリを用いてスクリーニング中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
スクリーニングから阻害物候補を絞り、細胞に対する作用を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
スクリーニング系の工夫により予定よりも安価に実現できた。次年度以降の本スクリーニングからは費用がかさむ予定である。
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