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2018 年度 実施状況報告書

心筋炎における新たな細胞治療

研究課題

研究課題/領域番号 17K10720
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 悟朗  東北大学, 大学病院, 講師 (50526449)

研究分担者 齋木 佳克  東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
川本 俊輔  東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20400244)
秋山 正年  東北大学, 大学病院, 講師 (80526450)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード細胞治療 / 心筋炎
研究実績の概要

ラット自己免疫性心筋炎心筋炎モデルを用いて,多能性幹細胞であるMuse細胞の急性期における抗炎症作用や心機能保持作用について,また慢性期におけるMuse細胞の心筋細胞への分化,残存心機能への寄与の程度について検討することを目的とした.
本年度は東北大学細胞組織学教室の協力のもと,ヒト骨髄由来間葉系幹細胞からMuse細胞の培養・単離を行った.Muse細胞は,市販ヒト骨髄間葉系細胞(Lonza社)をウシ胎児血清を含んだ培地で培養し,数代の継代後にMACS (magnetic-activated cell sorting)を用いてSSEA-3陽性細胞をsortingした.
心筋炎急性期として想定されるミオシン投与後14日目にMuse細胞投与を行った.Muse細胞の投与法はイソフルランによる麻酔下で経尾静脈的投与とした.先行研究では,ラット心筋炎モデルにおいて,3×105~106個の卵膜由来間葉系幹細胞の静脈内投与で治療効果を確認している.Muse細胞は骨髄間葉系細胞中の5%程度である.本研究ではまず,①Muse細胞1×106細胞投与群,②Muse細胞2×106細胞投与群,③Muse細胞4×106細胞投与群の3群に分け,MRI(magnetic resonance imaging)で計測した心機能を比較することで至適細胞投与数を決定する計画である.本年度は既に細胞投与を行っており,次年度に心機能を計測する予定としている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度はラット心筋炎モデルの心機能および組織評価を行った.まず,ブタミオシンおよび完全フロイトアジュバントをラットに投与して心筋炎モデルを作成した.モデル作成後2,3,4,5,6,8週後に評価を行い心機能と組織変化の経時的推移を観察した.心臓MRIによる心機能評価ではモデル作成後2週目より左室駆出率の有意な低下傾向を示し,5週目以降横ばいとなった.組織学的にはモデル作成後2週目よりわずかな単核球浸潤を認め,3,4週目には顕著な単核球,多核球の浸潤,心筋細胞壊死および軽度の心筋細胞の錯綜配列の乱れを認めた.5週目以降には炎症細胞数は減少傾向となり,線維化を認めた.単位切片あたりの線
維化の面積比は4週目より有意に増加した.ヒトにおける重症心筋炎と同様の経過をたどることが確認できた.
平成30年度は,心筋炎急性期として想定されるミオシン投与後14日目にMuse細胞投与を行った.Muse細胞の投与法はイソフルランによる麻酔下で経尾静脈的投与とした.先行研究では,ラット心筋炎モデルにおいて,3×105~106個の卵膜由来間葉系幹細胞の静脈内投与で治療効果を確認している.Muse細胞は骨髄間葉系細胞中の5%程度である.本研究ではまず,①Muse細胞1×106細胞投与群,②Muse細胞2×106細胞投与群,③Muse細胞4×106細胞投与群の3群に分け,MRI(magnetic resonance imaging)で計測した心機能を比較することで至適細胞投与数を決定する計画である.本年度は既に細胞投与を行っており,次年度に心機能を計測する予定である.

今後の研究の推進方策

心筋炎モデルの心機能低下および組織学的な炎症性変化が確認でき,Muse細胞の培養・単離の技術も習熟したので,今後は心筋炎モデルラットに対してMuse細胞移植を行う.当初の予定通り,急性期におけるMuse細胞の抗炎症作用や心機能保持作用について,また慢性期におけるMuse細胞の心筋細胞への分化,残存心機能への寄与の程度について検討する.

次年度使用額が生じた理由

本年度の研究が順調に進み,物品費が当初の予定よりもかからなかったため.

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公開日: 2019-12-27  

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