研究課題/領域番号 |
17K10730
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
今井 克彦 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (80359893)
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研究分担者 |
末田 泰二郎 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (10162835)
中野 由紀子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 准教授 (10397911)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 心房細動 / 術中マッピング / 電気生理学的検査 / 心房細動手術 / 左心耳電位 |
研究実績の概要 |
心房細動を有する心疾患患者の開心術において臨床データを蓄積した.従来より行ってきた術式の遠隔期臨床成績と,術前の患者背景・生理学的検査所見などから術式の妥当性を検証すると共に,臨床背景と心房筋変化の関連について検討し,さらには術後,可能な限り電気生理学的検査を行い,また,退院後には経時的追跡調査を行い,心房細動消失の有無を初め,各種臨床データを調査し,考察を行っている.実臨床では,心房細動手術に用いられるアブレーション器機に新規認可品(冷凍凝固をベースとするものや左心耳処理デバイスなど)が加わった事もあり,臨床成績については,厳密には従前の高周波ベースの器機を中心とした術式とは区別されるべきであるが,今後の検証課題として存在する.
昨年度の研究で,試作したマッピングプローベが十分な電位取得に至らない可能性が指摘されたため,本年度は,心房全表面を一元的に電位採取する方向性では無く,部分部分の電位を採取するプローベをいくつか作成して,これを組み合わせる方向で検討を行った.この結果,現在注目度の高い左心耳を中心とした電位計測の出来るプローベをまず開発する事とし,プロトタイプを作成した.また,生体アンプの改良は,マッピングプローベからの入力電位等に即した形で行うべきとの判断から,予算を考慮して昨年度は見送られた.目的に沿った改良とするためには現行予算内で電位解析を行うことが不可能となる可能性も出てきたため,今年度は既存の商用マッピングシステムの応用を模索し,予算執行範囲内でも電位取得解析を行う道筋を付けた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収縮と弛緩を繰り返す動的な左心耳に十分に密着できる工夫を加えたマッピングプローベを試作した.また,既存商用マッピングシステムとの接続部分の開発も行った.他部位(心房自由壁や心房接続静脈部など)を計測するプローベについては現在設計と作成のための試行錯誤を開発メーカと協議を行っているところである.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き心房細動を有する心疾患患者の開心術において臨床データを蓄積する.従来法術式の遠隔期臨床成績,術前の患者背景・生理学的検査所見などから術式の妥当性を検証すると共に,術後,可能な限り電気生理学的検査を行い各種臨床データと伴に考察を行う. マッピングプローベについては,引き続き開発と改良を行う.本年度作成したマッピングプローベを用いた臨床例でのマッピングを行い,まず既存商用システムでの解析を行い,リアルタイム解析・表示がどの程度可能であるかを検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
収縮と弛緩を繰り返す動的な心房に十分に密着できる工夫を加えたマッピングプローベについて,左心耳とその周辺に使用するプローベを試作したが,十分な電位採取が可能かどうかは未だ検証されておらず,臨床例での使用が進んでいたいため未だ量産する体制には無いため.また,心房の左心耳以外の部分の電位を取得するためのプローベは現在設計改良中であるため.
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