研究課題/領域番号 |
17K10740
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太田 恵介 日本医科大学, 医学部, 助教 (10787534)
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研究分担者 |
藤井 正大 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60297926)
別所 竜蔵 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60281432)
網谷 亮輔 日本医科大学, 医学部, 助教 (30763594)
丸山 雄二 日本医科大学, 医学部, 講師 (50328837)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アクアポリン |
研究実績の概要 |
これまで、水チャンネルであるアクアポリン・ファミリー(AQP 0-12)が体内の各臓器に特異的に発現していることは知られている。水およびグリセオールのチャンネルであるアクアポリン 7(AQP 7)は心臓に発現しているが、このAQP 7チャンネルが心筋保護にどのように関わっているかは未だ不明である。当該研究では、AQP 7-Knockoutマウスの摘出心を用いたランゲンドルフモデルによる灌流実験系を確立し、AQP 7チャンネルと心筋保護効果の関わりを検討するのが目的である。基礎実験系や実臨床において心筋保護効果を引き出す手段として、プレコンディショニング作用については多くの報告がある。AQP 7チャンネルがこのプレコンディショニング作用に関与しているか否かを検証する。まず、AQP7-Knockoutマウスの心臓における虚血耐性を見極めるため、ランゲンドルフ灌流モデルで20分、30分、40分、50分、60分の全虚血後の心機能回復率や心筋障害の程度を評価する。次に、虚血性プレコンディショニングのための至適条件を検討する(5分虚血5分再灌流の4サイクルなど)。その上で、AQP 7-Knockoutマウスとwild-typeマウスのプレコンディショニング作用に差があるか検証する。平成29年度は、当大学の動物実験計画や組換えDNA実験の承認を得て、AQP7の欠損マウスの復元・繁殖を外部業者と契約した。これと併行して、ラット用の実験装置をマウスのランゲンドルフ灌流用に修正した。また、実験スタッフを採用しマウスの摘出心を用いたランゲンドルフ灌流実験の修得を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、当大学の動物実験計画や組換えDNA実験の承認を得て、理化学研究所バイオリソースセンターからAQP7の欠損マウスの凍結精子を取得し、復元・繁殖を定評のある外部業者と契約して作業を開始した。これと併行して、臨床研究棟の利用規約に則り、ラット用の実験装置をマウスのランゲンドルフ灌流用に修正を加え、さらに実験スタッフを採用してマウスの摘出心を用いたランゲンドルフ灌流実験の修得を図り、本実験のための条件を決める予備実験に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、復元・繁殖したAQP7-KnockoutとWild-typeのマウスの摘出心を用いたランゲンドルフ灌流実験を行う。プレコンディショニングによる心筋保護効果を引き出す虚血性プレコンディショニングの至適条件を検討する(5分全虚血・5分再灌流を4サイクルなど)。概ね虚血時間を30-40分として、AQP 7チャンネルの有無により心機能回復率や心筋障害の程度にどのような差が出るかを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度の予算は、当大学の動物実験の承認を得て、理化学研究所バイオリソースセンターからAQP7の欠損マウスの凍結精子を取得し、復元・繁殖を外部業者と契約して実施することに充当する計画であったが、大学との契約に時間がかかったため復元・繁殖作業の開始が遅れたため、来年度に繰り越して使用する予定である。また、予算の一部を実験スタッフの雇用費用に充てる計画で合ったが、大学との契約に時間がかかったため採用開始が遅れたため来年度に繰り越して使用する予定である。
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