研究課題/領域番号 |
17K10741
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
仁科 大 日本医科大学, 医学部, 助教 (70307932)
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研究分担者 |
藤井 正大 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60297926)
別所 竜蔵 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60281432)
坂本 俊一郎 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50398872)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 心房細動 / 左房径 / 心房リモデリング / マイクロRNA |
研究実績の概要 |
心房細動は頻度の多い上室性不整脈で心原性脳梗塞を引き起こす。当施設でも弁膜症に合併する心房細動にはメイズ手 術を積極的に行っている。しかし、手術適応は明確なものがなく、一般的に罹患期間や心電図胸部誘導V1のf波高、左房径などを目安に決定されるのが現状である。本研究の目的は、左房径の違いが左心耳のホルマリン固定パラフィンブロックから抽出されるマイクロRNAの発現に影響を与えているかを分析することである。 平成29年度は ①研究サンプルの抽出:当院で施行された心房細動を合併した弁膜症手術患者の中から手術時に左心耳標本が得られている症例をリストアップし、(Group1)左房径60mm以上の10例(平均左房径67mm)、(Group2)左房径50mm未満の10例(平均左房径43mm)を選出した。臨床情報として、年齢・性別・体格・喫煙・糖尿病・心疾患・罹患期間・心機能・左房径・心房波高を収集していた。 ②RNA抽出の確認:リストアップした症例から1例をサンプルとして、実際にホルマリン固定パラフィンブロックからRNA抽出が可能であることを確認した。 平成30年度は、予備実験として古いサンプル7検体(術後心房細動再発群3例と再発なし群4例)の左心耳のパラフィンブロックからNucleoSpin Total RNA FFPE(MN)を用いてRNA抽出を行い、BioSpec-nano (SHIMADZU)による吸光度を測定し、次にQuantiFluor RNA System(Promega)にてRNA量の定量を行った。これら7検体の網羅的マイクロアレイ解析を実施した。AF再発群において2倍以上にup-regulation(p<0.05)しているマイクロRNAは、microRNA6776、microRNA4520-1、microRNA7973-2であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ホルマリン固定パラフィンブロックからのRNA抽出は可能であり、網羅的マイクロアレイ解析を実施し、up-regulationしているマイクロRNA(miR 6776、miR 4520-1、miR 7973-2)が同定された。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は (Group1)左房径60mm以上の10例、(Group2)左房径50mm未満の10例の各群のホルマリン固定パラフィンブロックからRNAを抽出し、網羅的マイクロアレイ解析で得られたマイクロRNA以外にも文献を参考にして定量的発現プロファイル比較解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験備品の節約により差額が生じたが、次年度の定量的発現プロファイル解析の実験備品に充てる予定である。
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