研究課題
前年度までの研究結果が当初の仮説とは異なっていたため、最終年度も、前年に引き続き研究計画を変更した。我々は過去に、Vasohibin-2過剰発現マウスにAngIIを投与することで、胸部大動脈の血管壁のアポトーシスが惹起されることを報告した。そこで、このモデルにおける腹部大動脈血管壁のアポトーシスについて評価した。9~13週齢のオスのApoEノックアウトマウス(高脂血症モデルマウス)へ浸透圧ポンプを用いてAngII(1,000ng/kg/min)を3週間持続投与する群と、AngIIと同時にadenovirus vectorencoding human Vasohibin-2を尾静脈投与する群をそれぞれ8匹ずつ作成し、3週後に大動脈を単離した。コントロールとしてAngIIの代わりにSalineを投与した。今まで同様、Adenovirusの発現の確認をqPCR、WBで確認した。大動脈組織からタンパクを抽出し、cleaved-caspase3のタンパク発現をウエスタンブロットにて比較したところ、AngII投与群は、Saline投与群としてcleaved-caspase3の発現は多くなるが、AngII投与群においては、adenovirus投与群と投与しない群との間で有意な差を認めなかった。組織を用いて行ったTUNEL染色でも、同様の結果であった。これまでのin vivo、組織学的な検討、今年度の血管アポトーシスの検討結果を踏まえ、我々はVasohibin-2は腹部大動脈瘤の発症・進展に影響を与えない、と結論した。
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