高齢化する日本社会において、大動脈瘤および解離は、死因の10位前後に毎年ランクインする大変重篤な疾患である。今後のますますの高齢化に伴い、患者数およびそれによる死亡数がさらに増加する可能性が高いため、大動脈瘤破裂による死亡回避のための新規治療開発が喫緊の課題である。今回Vasohibin-2という分子に着目し、腹部大動脈瘤の発症・進展に与える影響を様々に検討したが、残念ながらこの分子は、腹部大動脈瘤の発症・進展にあまり影響がないことがわかった。今後別の分子に着目した新たな治療戦略の開発が必要である。
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