研究課題/領域番号 |
17K10761
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 伸一 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90285130)
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研究分担者 |
益田 宗孝 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (10190365)
内田 敬二 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (50275062)
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70404994)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | オーダーメイド医療 |
研究実績の概要 |
大動脈手術は、胸部大動脈疾患は15,758例(2013年日本胸部外科学会統計)、腹部大動脈疾患は15,745例(2012年日本血管外科学会統計)であり、胸部・腹部をあわせると年間約31,000例に達している。外科手術は高侵襲治療で死亡率も高く、近年ではステントグラフトを使用した低侵襲な血管内治療も進歩しつつある。この後天性血管病変は、生命予後を左右する極めて重要な病態で、これらには共通して弾性線維形成の異常が認められる。手術で摘出する大動脈瘤壁、解離した大動脈壁をサンプルとし、弾性線維形成異常に対するメカニズムを解明し、大動脈瘤化や大動脈解離発生の原因を明らかとする。また大動脈疾患患者の血液サンプルを用いて大動脈疾患のバイオマ-カ-を検索し、大動脈疾患の予防的治療の開発を研究の目的とし、1)大動脈瘤化および大動脈解離を発生した大動脈壁における弾性線維の形成状態の確認。2)弾性線維形成に関わるEP4、リシルオキシダ-ゼの蛋白発現の検討。3)これらより大動脈瘤化や大動脈解離のメカニズムの解析と、発症前に発症リスクを予測するシステムを確立する。4)さらに発症リスクに基づいた予防的・治療的な対策の確立(オーダーメイド医療)5)動脈瘤のバイオマ-カ-の発見と確立を目指している。 平成29年度では横浜市立大学附属病院および横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センターで約50例/年の症例集積を見込み、症例は横浜市立大学附属病院(益田、鈴木)、横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター(内田)にて集積された。全ての症例の臨床情報は外科治療学教室(益田、鈴木)が評価をし、それぞれの臨床情報の管理をおこなった。 集積された検体は循環制御医学教室(横山)において検討をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大動脈壁の弾性線維の形成とEP4、リシルオキシダーゼの蛋白発現の検討をすすめいている。ヒトの血管病変サンプルでEP4の発現が亢進し、弾性線維の低形成が認められることが予測されおり、ヒトサンプルの採取、扱いに関してはすでに学内の倫理委員会にて本研究は承認済みである(承認番号B150305001、研究開始承認日 平成27年3月10日)。横浜市立大学外科治療学と横浜市立大学附属市民総合医療センタ-と協力し、順調にサンプルの採取がすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き平成30年度も横浜市立大学附属病院および横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センターで症例集積をおこなう。先端医科学研究センター・バイオバンクを介して円滑な症例の検体の集積を継続する。初年度と同様、症例は横浜市立大学附属病院(益田、鈴木)、横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター(内田)の協力を得て集積される。全ての症例の臨床情報は外科治療学教室(益田、鈴木)が評価し、それぞれの臨床情報を管理する。集積された検体は循環制御医学教室(横山)で解析、検討される。さらに最終的に予防を含めた管理・治療方針決定システム確立をめざす(オーダーメード医療)。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)予定していた講演会が中止となったため、講師謝金が発生しなかったため。 (使用計画)当該研究において使用する実験用消耗品を購入する予定。
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