大動脈解離に対するステントグラフト治療の有効性は確立されたものとなりつつあるが,偽腔の再縮小(リモデリング)に着目した場合、慢性期症例の場合、リモデリング不良に伴う追加治療が必要となる事が少なくない。腹部を含む全ての内膜亀裂を 修復することが理想であるが、臨床上、腹部大動脈に内膜亀裂が残存していても偽腔の増大回避、血栓化を得る症例を経験する。本研究は手術時の偽腔の実測圧とCT上残存する内膜亀裂の画像評価の関連を検討し、リモデリングおよび血栓化に関与する内膜亀裂の画像的因子を明らかにする。 平成29年度より症例集積を開始し、実施済みのものに関してはfollow-upデータを収集している。また関連研究として過去に大動脈解離に対してステントグラフト治療を施行した症例に対しても、画像的アプローチのみではあるがデータ収集を開始している。
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