研究課題/領域番号 |
17K10769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
心臓血管外科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
栗田 二郎 日本医科大学, 医学部, 病院講師 (20421183)
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研究分担者 |
新田 隆 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (40256954)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ずり応力 / シェアストレス / iPS細胞 / MARK経路 / ユビキチン / プロテアソーム / NF-κβ |
研究成果の概要 |
培養ウシ大動脈内皮細胞に層流性または乱流性のずり応力による機械的刺激を与え、細胞増殖や分化に関与するMARK経路や免疫炎症反応の中心的役割を果たすNF-κβ経路、またHippo経路におけるユビキチンプロテアソームシステム(UPS)の関与を調べた。その結果、乱流のみがNF-κβを活性化させ、さらにそれはリン酸化されたIκβαに変化を与えず、トータル量としてのIκβαのみが減少した。 つまり、乱流だけがIκβαの分解を誘発させ、NF-κβを活性化させることと、そのIκβαの分解はUPSを介するものであると判明した。また一方で、層流はUPSを逃れてNF-κβの不活性化に寄与していることが示唆された。
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自由記述の分野 |
流体力学分野
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では乱流がIκβαの分解を誘発し、Nf-κβを活性化させること。また、そのIκβαの分解はユビキチンプロテアソームシステム(UPS)によるものであると判明した。一方で、層流はYPSを介した分解を逃れて、NF-κβの不活性化に寄与していることも示した。今回、異なる血流パターンがNF-κβ経路に異なる影響を及ぼす実験結果を得た。しかし、これは血流が引き起こすごく一部の細胞応答反応を見ているにすぎない。今後もこのような血流が及ぼす動脈硬化機序の基礎的解明を継続し、外科手術における吻合部狭窄を予防する手段として、乱流を回避させる血行再建方法の開発や工夫についての基礎的知見の積み重ねを継続したい。
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