研究課題/領域番号 |
17K10777
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
岩田 剛和 千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 部長 (30586681)
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研究分担者 |
吉野 一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40281547)
畑 敦 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30750806)
坂入 祐一 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30551949)
中島 崇裕 千葉大学, 医学部附属病院, その他 (20400913)
鈴木 秀海 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (60422226)
金田 篤志 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (10313024)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 特発性肺線維症 / 肺扁平上皮癌 |
研究実績の概要 |
本研究ではIPF合併肺癌の臨床手術検体を用いて、DNAメチル化、エクソンシークエンスを用いた網羅的遺伝子解析を行い、得られた遺伝子プロファイルを元に遺伝子学的特徴や発癌機構、ピルフェニドンの効果を検証する事を目的としている。 H29年度の成果: A.外科切除検体からのRNA, DNA抽出 H29年度では当院で手術を施行した原発性肺扁平上皮癌にしぼって症例を選択し、IPF合併肺癌34例、IPF非合併肺癌43例に対して、腫瘍検体からRNA、DNAを抽出した。またそれぞれ10例づつ、背景肺に対しても核酸抽出を行った。コントロールとしては、2例の正常の背景肺を使用した。腫瘍検体は腫瘍含有率が高いものを千葉大学大学院分子腫瘍学教室の病理医によりスライド上で確認の上、使用した。 B.IPF合併肺癌における遺伝子網羅的解析 腫瘍検体、および非癌部肺組織検体から抽出したDNAに対してイルミナ社のビーズアレイInfiniumを用いてDNAメチル化に関する網羅的解析を行い、IPF合併肺癌、また IPFの背景肺組織における特徴的なDNAメチル化プロファイルを作成した。また抽出された代表的な遺伝子に対してはパイロシークエンス法による検証を行ったところ、肺扁平上皮癌は大きく2つのepigenotype(高メチル化群、低メチル化群)に分類され、IPF合併扁平上皮癌では低メチル化傾向を示すタイプの腫瘍が多い事が分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、臨床検体の核酸抽出が終わり、網羅的解析としてDNAメチル化解析、またパイロリーケンスによる検証を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度ではRNAシークエンス、エクソンシークエンスを行い、遺伝子発現、遺伝子変異に関する検証を行う。 最終年度では免疫染色やFISHを用いた形態学的評価も行い、さらに抽出された遺伝子に関しては機能解析も行う。ピルフェニドンの効果に関しても遺伝子学的な側面から合わせて検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実際に解析対象となる検体が保存検体の核酸の品質の問題から77例となり、当初の見込みの100例から少なくなった。また、研究代表者が平成28年度末に現在の施設に移り、研究環境整備と開始に時間がかかったのも一因である。次年度以降にも症例数を追加する予定で、それの核酸抽出、遺伝子解析の費用として使用する予定である。
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