研究課題
平成31年度は、GEP100とGrb2のArf6経路活性化における影響を解析し、以下の成果を得て、学会や研究会で発表することができた。昨年までの検討でGrb2を肺癌細胞株A549に過剰発現させることにより、EGF刺激によるGEP100のEGFRへの結合能が亢進し、結果的にArf6がGTP結合型へと変化する活性化が亢進した。この結果、EMTのphenotypeを誘導し、in vitroでの浸潤能も亢進することが示されていた。従って、実際の臨床検体においても、in vitroでの実験結果をサポートするかどうか、検証した。その結果、肺腺癌切除検体239例において、Arf6経路の各分子の高発現による同経路の活性化が、肺腺癌完全切除例におけるEMTや局所浸潤因子、リンパ節転移の有無、無再発生存や予後に有意に悪化する因子となっていることが示された。さらに、これらの増悪は、特にEGFR変異型腺癌において、より顕著となっていることが示された。そこで、さらにEGFR変異肺腺癌におけるEMTについても検討し、H1650肺癌細胞株(EGFR_L858R)に、野生型及び変異型のp53遺伝子変異を導入することによるEMTがArf6経路が関わっている可能性についても検討を行ったが、明らかな発現増加は認めず、今後の研究課題とした。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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