異所気管移植マウスにヘパリン徐放ゼラチンハイドロゲルの投与を行い、最終的にOB(閉塞性気管支炎)発症の抑制が得られることを明らかにする。そのため、 移植モデルでの病理組織所見において、 線維化、OB所見の抑制を確認する。最終的なアウトカムを病理組織学的評価におき、副次評価としては線維化の指標と なる移植片中のα-SMA、S100A4、ZEB1の経時的な変化を免疫組織化学染色により評価する。線維化、およびその抑制の過程を経時的に評価することで、OB発症の メカニズムの探索を行う。 本年度の実績としては以下の通りである。 ・モデルマウスの作成:気管皮下移植モデルマウスの作成を行っている。Balb/c と C57/BL6 の 2 系統のマウスを用い、モデルとして(1)Balb/c マウスの気管を Balb/c マウスの皮下 に埋め込む isograft モデル。 (2)Balb/c マウスの気管を C57/BL6 マウスの皮下に埋め込む allograft モデルをそれぞれ作成した。 ・ヘパリン徐放ゼラチンハイドロゲル:カチオン化したゼラチン水溶液にヘパリンを加え混合溶液を作成し、凍結乾燥後にカチオン化ゼラチン - ヘパリンコンプレックスを熱架橋し、ヘパリン 徐放ゼラチンハイドロゲルを作成した。移植気管における線維化の進行とヘパリン徐放ゼラチンハイドロゲルの効果を評価するにあたり、ヘパリン徐放ゼラチンハイドロゲルの皮下投与時における周囲組織における徐放濃度の計測を試みた。
|