研究実績の概要 |
【対象】2006年1月から2016年3月において当科にて切除された間質性肺炎合併33症例および間質性肺炎非合併症例784症例を対象とした、この中からマッチドペア解析を用いて、間質性肺炎合併肺癌: 非合併肺癌=1:2になるように サンプルを抽出し間質性肺炎合併肺癌33例および間質性肺炎非合併65症例を同時に解析した。【蛋白抽出】①凍結標本から組織(癌部、癌隣 接部、非癌部)を採取した(15-25mg程度)。 ②RIPA bufferを加えて、Tissue Lyserで組織をhomogenizeした。 ③遠心(4℃, 104G, 10min)施行。④上清を回収。-80℃で 保存。【蛋白定量】Bradford法:Quick Start Protein Assayを使用、タンパク定量後、-80℃で保存した。【サイトカイン測定】ストックした上清をCytometric Bead Array を用いて多項目サイトカイン同時定量解析を行った。測定サイトカイン:TGF-β,VEGF, FGF, Fibronectin, HGF, IL-1β,IL-2, IL-6, IL-10, IL12p70, IL-17,IFN-γ, Fibronectin, HGFを測定した。【結果】①IL-6は間質性肺炎非合併肺癌の非癌部での発現量が高く、VEGFは癌部での発現が高かった。②IL-6は非癌部での発現量が高く、IL-1β,VEGF,FGFは腫瘍部での発現が高かった。③IL-10, TNF, IL-12p, IFN-γ は検出範囲以下であった。④FGFは間質性肺炎非合併肺癌症例の非癌部、癌部いずれにおいても高値であった。【進捗状況】現在、得られたサイトカインプロファイルと臨床病理学的因子との関連性を解析中である。
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