研究実績の概要 |
胸部の内視鏡手術(以下, 胸腔鏡手術)における術中合併症は開胸手術よりも多く, 医療安全に関する対策が急務である。その術中合併症の大きな要因の一つとして死角が考えられ, その死角を排除した広範囲視認型トロッカーの開発を現在行っている。急速な高齢化に伴う低侵襲手術の需要に対して, 胸腔鏡手術を安全に遂行できる器具が開発されることは, 社会的にもたいへん意義深いものと考えている。 広範囲視認型トロッカーとは,内視鏡の挿入孔周囲に細径CCDカメラを数個搭載したもので,モニターには内視鏡の画像だけでなく, ピクチャーインピクチャー形式でトロッカーからの画像が映し出される予定である。その画像を見て, 術者や助手のポート創から挿入される手術器械の動向が全て把握でき, そして胸壁から内臓に至るまで広範囲の画像が得られるかどうかを判断し, CCDカメラの数と死角の範囲から適切なCCDカメラの数と配置を検討する予定である。トロッカー挿入時にCCDカメラの先端が血液などで汚れる危険を排除するために, トロッカー挿入時には閉じたままであるが, 挿入後には開く蓋をCCDカメラの先端に搭載できるような機構も作製する予定である。 発注した材料が当初より大幅に遅れ,平成30年1月末に揃ったため,それから広範囲視認型トロッカーの試作機を医療デザイン研究センターにおいて作製しているところではあるが,第1号機が完成するまでに半年以上かかるため, 平成30年9月頃を目途に,上記内容が可能な状況になっているかを適宜判断しながら,作製してゆきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
発注した材料が当初より大幅に遅れ,平成30年1月末に揃ったため,それから広範囲視認型トロッカーの試作機を医療デザイン研究センターにおいて作製しているところではあるが,第1号機が完成するまでに半年以上かかるため, 平成30年9月頃を目途に,作製してゆきたい。
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