研究課題
本学医療デザイン研究センターにおいて計画書通りに細径CCDカメラ(以下、CCD)の数が4本(上側には直視、下側には側視)タイプと2本(直視)タイプの2機種の作製予定であったが、資金的に無理なことが判明し、1機種の作製に変更した。また、側視のCCDを調達できないことも判明したため、直視のCCDによる視野と死角のバランスを考え、適切なCCDの本数と配置を再検討した。その結果、直視の6本を等間隔に配置することで全周に渡って切れ目なく見渡すことができ、医療安全上有効なトロカーと考えられたため、6本の等間隔配置による第1号機を2018年12月に完成させた。その後、予算不足から、CCDより安価なCMOSイメージセンサー(以下、CMOS)に変更し、さらにCMOS4本のみを用いた第2号機を作製した。すなわち、CMOS配置可能な6箇所のうち4箇所しか使わないことにより死角が発生するため、医療安全上どこが必要な視野か、CMOS画像をどのようにモニターに反映させるかを再検討した。その結果、トロカー側方と下方の4箇所にCMOSを配置し、モニターの4隅にピクチャーインピクチャー形式でCMOS画像を描出することにした。もう一つの目的である内視鏡画像とCMOS画像をどのように融合させるかについては費用が足らず、今回は断念した。2020年2月、本学サージカルイノベーションセンターにおいて、ヒト屍体モデルを対象に、トロカー自体の機能や操作性と同時に、4本のCMOS画像が、内視鏡画像内にピクチャーインピクチャー形式で実際に描出できるかどうかを評価した。その結果、CMOS画像は3本で正確に内視鏡画像内にピクチャーインピクチャー形式で描出できた。視野も予想以上に広く、医療安全上問題ないと考えられた。1本だけ機能しなかったが原因不明であった。操作性に関しては、トロカー内にCMOSコードがあったため、内視鏡挿入による抵抗が生じ、改善が望まれた。