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2022 年度 実績報告書

肺癌の先制医療を可能にするGermline遺伝子変異診断開発の基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K10799
研究機関杏林大学

研究代表者

大塚 弘毅  杏林大学, 医学部, 学内講師 (70439165)

研究分担者 渡邊 卓  杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
藤原 正親  杏林大学, 医学部, 教授 (20407026)
田中 良太  杏林大学, 医学部, 准教授 (40415063)
松島 早月  杏林大学, 医学部, その他 (80231596)
大西 宏明  杏林大学, 医学部, 教授 (80291326)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード家族性肺癌 / 遺伝性肺癌 / EGFR V843I / EGFR L858R / TP53 R248W / germline変異 / 付加変異 / 先制医療
研究実績の概要

本研究では、発がんリスクEGFR V843I生殖細胞性変異を有する肺腺がん多発家族を調べた。発端者は進行肺腺がんと診断され、EGFR-TKIを含む各種治療に抵抗性を有し、がん死した。肺腺がんを発症した他の2人の家族は早期がんと診断され、肺がん手術後に長期無再発生存した。HiSeq X (イルミナ)によって行われた全ゲノムシーケンスの結果、EGFR V843I変異以外の遺伝性がんの原因となる既知のがん関連遺伝子生殖細胞系変異は検出されず、EGFR V843I変異が肺腺がんの家族性発がんに寄与するという仮説を支持した。体細胞性EGFR L858RおよびTP53 R248W変異は、発端者から得られた肺がん組織に見出された。一方、他の2人の肺がん組織のDNAを用いて行ったIon AmpliSeq Cancer Hotspot Panel v2(サーモフィッシャーサイエンティフィック)によるターゲットシーケンスの結果、両腫瘍とも体細胞性EGFR L858R変異を有するが、TP53 R248W変異は有していないことが明らかになった。肺腺がんの発症にはこれら3例でEGFR L858R変異が必要であると仮定したが、発端者の臨床転帰不良は肺腺がんにおけるTP53変異の獲得と関連している可能性がある。EGFR V843I変異は、この家族性肺腺がんの原因となる遺伝的リスクである。また、がん関連遺伝子の次世代シーケンスは、がんの素因を有する症例のがん組織におけるTP53変異などの追加の遺伝子異常を検出するのに役立ち、予後を予測するための貴重な情報を提供することが示唆された。

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公開日: 2023-12-25  

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