研究課題/領域番号 |
17K10800
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大塚 崇 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40306717)
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研究分担者 |
下田 将之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70383734)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肺移植 / 拒絶反応 |
研究実績の概要 |
肺移植は重症呼吸不全疾患に対する唯一の根本的治療である。しかし近年の免疫抑制剤の進歩にも拘わらず拒絶反応はいまだに移植レシピエントの主要な死因である。末梢の気管支が次第に閉塞するBronchiolitis obliterans Syndrome(BOS)は5年以上生存した肺移植後のレシピエントの内50から60%の確率で発症する病態である。現在このBOSに対する治療法は確立しておらず、ブレークスルーが求められている。我々は独自のマウス気管移植モデルによりBOSに類似した状況をマウスで作り出し、拒絶反応を定量的に検討することを確立している。マウス気管同所移植モデルを用いて、拒絶反応を検討した。第7日目に犠牲死させ、組織を採取した。Isograft, allograft、allograftにCO-HgV投与群で検討を行った。拒絶反応が生じるAllograft群にCO-HbVを投与群のサイトカイン発現を検討した。CO-HbV投与群が非投与群よりも有意にTNF-αとFoxp-3のmRNAの発現が少ないことが示された(p< 0.05)。IL-2、IL-10、IFNγは、CO-HbV群で低発現の傾向にあったが、有意差は認めなかった。実験検討数を増加させる必要がある。マウスアログラフトの気管移植モデルにおいては、CD3,FoxP3の気管組織での免疫組織学的検討を行った。CO-HbVを投与群においては気管狭窄の軽減、またCD3, Foxp3陽性細胞が非投与群に比して減少していた。閉塞率はallograftでは49%、allograft with CO-HgVでは40%であった。AllograftでのCD3陽性細胞は62個、CO-HgV投与群では40個であり、T細胞の浸潤の低下を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験において安定して結果が得られている。検討数をさらに増加させて検討を行う。
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今後の研究の推進方策 |
今後はマウス肺移植モデルを用いて検討を行う。また気管異所移植モデルにおいて線維化の程度を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験は順調であった。消耗品の使用が予想よりも少なかったため次年度使用額が生じた。30年度は早めに消耗品を購入し、使用する予定である。
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