研究課題/領域番号 |
17K10805
|
研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
中川 隆行 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (10626261)
|
研究分担者 |
佐藤 賢一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (10282055)
玉井 恵一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (40509262)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | Periostin |
研究実績の概要 |
本邦において、肺癌は最も死亡数の多い癌である。2014年の厚生労働省の人口動態調査死亡統計によると、男性は52,505人、女性は20,891人が肺癌で命を失っている。2015年予測死亡数は男性55,300人、女性21,900人とされ、肺癌発症の原因の1つとされる喫煙率が減少傾向にあるにもかかわらず現在でも肺癌は増加傾向にある。全体の5年生存率は44%とされているが、IA期が79%と良好であるのに対し、IIA期が47%、IIIA期が29%、IV期が6%と進行に伴い大きな差が生まれる。早期発見できれば良好な治療成績が期待できる反面、大部分は進行した状態で発見されその治療成績は芳しくないというのが現状である。従って、肺癌患者の予後を飛躍的に延長させるためには、転移、再発や抗がん剤耐性といった癌の悪性化形質に対する治療戦略を練る必要がある。 肺癌患者の予後を飛躍的に延長させるためには、転移、再発や抗がん剤耐性といった癌の悪性化形質の根源となる癌幹細胞(Cancer stem cell, CSC)に対する治療戦略を練る必要がある。しかし、肺癌においては確立されたCSCマーカーも存在せず、CSCの割合も非常に少ない。申請者らは、肺癌CSCに対する治療法確立のために、Patient derived xenograft (PDX)を多数作製することによって多量のCSCを分離して実験を行うことを着想した。本研究目的は、PDXによって多量に分離したCSCと微小環境において発現する分子Periostinの関連を明らかにし、微小環境を標的とした肺癌の治療法を開発することである。 本年度は肺癌PDX検体の樹立を順次行った。また、肺癌症例におけるperiostin発現パターンを免疫染色で検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従って順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
1) patient-derived xenograft (PDX)から肺癌CSCを多量に分離する; 2) POSTNのCSCに対する作用を分子発現、代謝変化の面から網羅的に解析する;3)POSTNの発現を抑制することにより肺癌進展が制御できるか検討する; 4) POSTNを標的とした治療の有効性を多数のpatient-derived xenograft (PDX)を用いて確認する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度はPDX・細胞株の樹立に注力し、解析実験をあまり進めなかったため。解析は次年度に行う。
|