研究課題/領域番号 |
17K10811
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
前原 幸夫 東京医科大学, 医学部, 講師 (10385106)
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研究分担者 |
今井 健太郎 東京医科大学, 医学部, 助教 (30408140)
河口 洋平 東京医科大学, 医学部, 助教 (10793630)
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70246205)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | PDT / レーザー治療 / 肺癌 |
研究実績の概要 |
本研究は、皮膚内残留薬剤測定システムを早期肺がん患者の術直前後および退院時に運用し、得られた指標と光線過敏症の発症との相関について検討する。本システムにより光線過敏症の発症リスクを予測し、その有用性の評価を行い、光線過敏症を回避することを目的とした。安全性と相関性を検討する目的で、中心型早期肺がん患者に光線力学的治療を行う際に皮膚内残留薬剤測定システムを用いた臨床試験を行った。患者に説明文書に基づき説明を行った上で、本研究への参加について、文書にて同意を得て、早期肺癌に対する光線力学的治療時に、通常診療に加えて皮膚内残留薬剤測定システムを用いた計測を術前、術直後および退院時に行う。皮膚内残留薬剤測定システムは,今回の測定のために開発された装置で、血圧測定の際に使用するマンシェットにプラスチック光ファイバーを通じて青色LED光を放射し、薬剤が発する蛍光を受光する構成であり、非侵襲的定量的に皮膚内に残留する光感受性物質の濃度の計測が可能なシステムである。上腕に設置して計測を行った。PDT施行前後、退院時、1週間後に皮膚内残留薬剤計測システムを用いて、皮膚内残留薬剤濃度の計測を行った。 患者に対して、レザフィリン投与前後に、皮膚内残留薬剤濃度の計測を行った。レザフィリン投与後より励起波長の664nmに一致して蛍光スペクトルの上昇を観察することができた。またその時間的推移を検出することが可能であった。術後3日目の蛍光ピークを最大として1週間後では蛍光ピークの減少が認められた。さらに臨床試験を追加し、皮膚内残留薬剤濃度の計測と同時に紫外線を照射し、光線過敏症と皮膚内残留薬剤濃度との関係について調査した。 皮膚内残留薬剤測定システムを用いて、非侵襲的に皮膚残留薬剤濃度時間推移を検出することは可能であり、光線過敏症発症のリスク判断に有用と考えられた。
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