研究課題/領域番号 |
17K10813
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
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研究分担者 |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20379845)
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Midkaine / 分子標的治療法 |
研究実績の概要 |
近年、肺癌においては、EGFR遺伝子変異やEML4-ALK fusionに対する分子標的療法が、治療に欠かせないモダリティーとなってきている。その一方で、胸膜中皮腫に対する有効な分子標的治療法は今だに確立されていない。我々は、癌特異的増殖因子であるMidkineに対する特異的阻害剤:iMDKの開発を行い、当該低分子化合物がPI3Kinase/AKT を阻害し、肺癌に対し抗腫瘍効果を誘導できること報告した(Fukazawa T et al. PLoS One. 8: e71093. 2013, Exp Cell Res. 335: 197-206. 2015)。今回我々は、新たにiMDKをリード化合物とする誘導体(derivatives)の合成を行い、これらの小分子化合物の悪性胸膜中皮腫に対する抗腫瘍性を検討した。 上皮型胸膜中皮腫株:MSTO-211Hにおいて、iMDK派生化合物の種類を増やし、肺癌細胞における抗腫瘍効果の検討を行った。PIK3CA遺伝子変異を有するヒト肺扁平上皮癌株HCC95において少なくとも、11種の化合物が10uM以下の濃度で細胞増殖を抑制した。各派生化合物のうち、2種はiMDKよりも低濃度で抗腫瘍性を示した。またImmunoblot法にて当該2種化合物は肺癌細胞HCC95に対し0.1uM の濃度でAKTのリン酸化を抑制し、その阻害効果はiMDKより優位であった。さらにこれらの化合物によるPARP のcleavageが確認された。これらのことより、iMDK派生化合物から、胸膜中皮腫に対しより低濃度で抗腫瘍効果を示すさらに2種の小分子が選定され、細胞死誘導機序にはapoptosisが関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
派生化合物の種類が多く、解析に時間を要したが、おおむね予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、選定化合物の抗腫瘍効果、細胞死誘導機序の解析をすすめ、動物実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析に時間を要したため、試薬購入費が翌年度にずれ込んだ。次年度使用額は選定化合物の詳細な細胞死誘導機序解析のための分子生物試薬費および動物実験関連費に使用する。
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