研究課題/領域番号 |
17K10817
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高橋 和孝 秋田大学, 医学部, 講師 (60321999)
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研究分担者 |
清水 宏明 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20506638)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クモ膜下出血 / 脳血管攣縮 |
研究実績の概要 |
本研究課題は『頭蓋内圧上昇環境でのクモ膜下出血による血管収縮機構への影響とその特異的機序解明』とした。 申請者は脳血管攣縮モデルで、pressurized artery 法を用 いて脳血管攣縮について検討する。Pressurized artey法 は恒温水槽(チャンバー)内を生体環境類似環境として、 生理的組織液(Krebs 溶液)を入れ、そこにガラス管に連 結した動物組織から採取した生きた血管を連結する。内腔には血液の変わりに同様に生理的組織液を充満させ、生理的な圧を与える。今回申請する研究では pressurized artery 法の恒温槽チャンバーを密封し、溶液層に頭蓋内圧に相当する圧をかけた環境での血管反 応性を評価し、高頭蓋内圧をかけた状態での血管に新たに誘導された遺伝子・タンパクなどにつ いて検討する。 平成29年度には正常ラット血管とクモ膜下出血モデルのラット血管の正常頭蓋内圧と脳圧亢進状態での血管反応性について pressurized artery 法を用いて検討する予定であった。しかし、予備実験となるクモ膜下出血モデル作製のためのオキシヘモグロビンの精製安定化とプロトコール化に時間を要した。そのため、予定が遅れ、平成30年度にpressurized aeteryによる実験を行う必要がある。今後は後れを取り戻しつつ、II.組織免疫学的手法による検討 と III RT-PCRおよびWestern blotting法へと進める予定である。本年度以降の実験計画がタイトなスケジュールとなるものの十分可能であると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成29年度には正常ラット血管とクモ膜下出血モデルのラット血管の正常頭蓋内圧と脳圧亢進 状態での血管反応性について pressurized artery 法を用いて検討する予定であった。しかし、クモ膜下出血モデルの作成に使用するために使用するヘモグロビン精製のプロトコール確定に時間を要し、H30年4月まで経過した。Drabkin’s Reagentを用いて濃度を確定することで、今後のクモ膜下出血モデルに利用できる。本年度は引き続き、pressurized arteryを用いた生理学的実験へ進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初よりは遅れているため、本来平成29年度に行う予定であった1.Pressurized artery 法による実態顕微鏡下に解析をひきつづいて行う。I.正常圧・正常血 管、2.正常圧・脳血管攣縮血管、3.頭蓋内圧亢進・正常血管、4.頭蓋内圧亢進・脳血管攣縮血管 の四群先に述べた 4 群で各実験を行う。通常の Krebs 溶液、0 濃度 Ca2+Krebs 溶液、L-type,T-type の各 Ca2+blocker 投与下での KCl 投与による血管反応性を検討する。 この平成29年度分の実験を平成30年度秋10-11月までに終了しつつ、8月ごろから本来の平成30年度分の実験を平行して開始する。内容は II.組織免疫学的手法による検討 と III RT-PCRおよびWestern blotting法による検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度には正常ラット血管とクモ膜下出血モデルのラット血管の正常頭蓋内圧と脳圧亢進 状態での血管反応性について pressurized artery 法を用いて検討する予定であった。しかし、クモ膜下出血モデルの作成に使用するために使用するヘモグロビン精製のプロトコール確定に時間を要し、H30年4月まで経過した。今後、Drabkin’s Reagentを用いて濃度を確定することで、今後のクモ膜下出血モデルに利用できる。従来の平成29年度の計画予算が消費されなかったのは、実験計画が遅れているためであり、ひきつづき、残った予算はそのまま、本年度遅れて開始するpressurized arteryの実験予算として利用する計画である。
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