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2018 年度 実施状況報告書

口腔細菌による出血性脳疾患の病態生理解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K10823
研究機関浜松医科大学

研究代表者

外村 和也  浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (90436965)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード脳動脈瘤 / 脂質代謝
研究実績の概要

クモ膜下出血は突然発症する疾患であり、脳血管の破裂によって重篤な症状を呈し、高頻度で社会復帰が困難となることが問題となっている。脳梗塞をはじめとする脳循環障害を予防する上で、血中の脂質レベルをコントロールすることは有用であるが、脳動脈瘤の破裂予防に関してはさまざまな報告がされている。今回我々はLdlrおよびApobec1を欠損させたマウス(Ldlr-/-, Apobec1-/-)を用いることによって血中の脂質レベルを高くし、この動物に実験的に脳動脈瘤を誘導することによって、脳動脈瘤の発生および破裂の変化をみた。
【方法】実験的に脳動脈瘤を誘導するためにHashimotoモデルを用いた。実験開始の1週間前に片腎を摘出した。脳底クモ膜下腔に豚膵エラスターゼを投与し、脳血管を脆弱化した。また、エラスターゼ投与後、皮下に徐放性のデスオキシコルチコステロンペレットを留置するとともに、飲水として1%食塩水を摂取させることで高血圧を誘導した。実験開始から3週間後に脳組織を摘出し、脳動脈瘤の有無およびクモ膜下出血の有無を評価した。
【結果】両群とも体重および血圧の変化に対し差はみられなかった。しかしくも膜下出血および未破裂脳動脈瘤形成については以下のような結果を得ることができた。コントロールとして用いたC57BL/6群は17匹中10例においてクモ膜下出血がみられ、また4例に未破裂脳動脈瘤があった。一方、Ldlr-/-, Apobec1-/-群は28例中1例においてのみクモ膜下出血がみられ、10例に未破裂脳動脈瘤がみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脳動脈瘤の発生機序を研究を進めるうちに、口腔細菌ではなく脂質代謝と脳動脈瘤破裂の関係性について興味を持ち始めた。
本年度は動脈硬化モデルマウス用い、脳動脈瘤発生について検討を行い始めた。

今後の研究の推進方策

Ldlr-/-, Apobec1-/-群はクモ膜下出血がほとんどみられず、血中の高い脂質レベルは脳動脈瘤破裂に対し保護的に作用する可能性が考えられる。
血中の脂質が直接的に脳動脈瘤の破裂予防に寄与しているのか、もしくは血液凝固系が関与しているのかなどの検討を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

動物飼育費など年度内の請求が完了せず、次年度になってからの請求が来たため、そこにあてる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Association with blood cholesterol and cerebral aneurysm.2019

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Hokamura, Hiroshi Makino, Tomo Suzuki, Takayuki Iwaki, Ryou Imai, Yoshiki Nakajima, Hiroki Namba, Kazuo Umemura.
    • 学会等名
      日本薬理学会年会
  • [学会発表] 血中脂質レベルと脳動脈瘤発生および破裂の関係性2018

    • 著者名/発表者名
      外村和也、牧野洋、鈴木智、岩城孝行、中島芳樹、難波宏樹、梅村和夫
    • 学会等名
      脳循環代謝学会

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公開日: 2019-12-27  

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