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2018 年度 実施状況報告書

植物性エストロゲンによる脳動脈瘤形成・破裂予防の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K10824
研究機関浜松医科大学

研究代表者

平松 久弥  浜松医科大学, 医学部, 助教 (70447803)

研究分担者 山崎 友裕  浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40781050)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード脳動脈瘤 / エストロゲン / クモ膜下出血 / 動物モデル
研究実績の概要

クモ膜下出血の主要な原因である脳動脈瘤について、マウス脳動脈瘤モデルを用い、脳動脈瘤の形成・破裂のメカニズムとその予防の研究を行っている。
脳動脈瘤の発生・破裂は閉経後の女性に比較的多く、エストロゲン減少とその関連が指摘されており、本研究では以下の①-③による脳動脈瘤形成・破裂に対する影響を検証することを目的とした。
①外因性エストロゲン(Equol)投与。②イソフラボン類のDaidzein経口摂取による代謝産物Equol生成。③エストロゲン受容体欠損マウスを用いたEquol投与。
本研究は、マウスに高血圧誘導後、脳底槽内にエラスターゼを投与して、脳動脈瘤を誘発、破裂を引き起こすマウスモデルを作成するところから始まる。本研究においても、過去の同モデルの成績と同等の脳動脈瘤の発生・破裂をきたすか検証した。脳動脈瘤の誘発を行ったマウスにおいて、約7割に脳動脈瘤の発生が認められ、そのうちの約8割に破裂をきたしたことが確認された。
現在、卵巣摘出野生型マウスを用いて、植物性エストロゲン投与により脳動脈瘤の発生および破裂を比較、評価するための研究を行なっている。具体的には、8週齢のメスマウス(C57BL/6J)を用いて高血圧誘導のため、左腎動脈の結紮後に左腎臓を摘出、エストロゲン産生を遮断するため両側卵巣摘出を行う。術後からイソフラボンを含まない食餌に変更とする。腎摘出および卵巣摘出から2週間後に、Equolを充填したosmotic mini pump (Alzet 2004) を背部皮下に埋め込む。pump埋め込みから7日後に、脳底槽内にエラスターゼを投与し脳動脈瘤を誘発する。動脈瘤誘発後21日間観察を行い、Equol投与群、Vehicle群で脳動脈瘤の発生および破裂の比較検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脳動脈瘤マウスモデルの作製において、過去の同モデルの成績と同等の脳動脈瘤の発生・破裂をきたすモデルが作製できている。また、植物性エストロゲン
(Equol)の投与による脳動脈瘤発生の抑制効果を検証するためのモデルにおいて、両側卵巣摘出術(エストロゲン産生を遮断するため両側卵巣摘出)および、
Equolを充填したosmotic mini pump (Alzet 2004) の背部皮下への埋め込み術も問題なく施行出来ている。
現在、上記モデルを用い、Equol投与群、Vehicle群で脳動脈瘤の発生および破裂に関するデータを集積している段階である。

今後の研究の推進方策

研究は概ね順調に進展しており、計画通りEquol投与群、Vehicle群で脳動脈瘤の発生および破裂に関するデータの集積を進めていく予定である。
上記後、エストロゲン受容体欠損マウス(ERbetaKOマウス)を用い、Equolの投与により脳動脈瘤の発生および破裂に影響するかどうかを検証する。ERbetaは
ERalphaと比べて血管炎症の抑制に関与していることが過去の論文から報告されており、ERbeta欠損により脳動脈瘤の発生が有意に増加すると考えられる。
また、イソフラボン類Daidzeinを食餌として摂取し、腸内細菌叢によるエストロゲン活性を有する代謝物が脳動脈瘤の発生を抑制するかどうか検証を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脳動脈瘤形成における植物性エストロゲンの役割2019

    • 著者名/発表者名
      神尾佳宜
    • 学会等名
      第44回日本脳卒中学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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