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2018 年度 実施状況報告書

脳腫瘍クリニカルシークエンスの基盤作成

研究課題

研究課題/領域番号 17K10855
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

西原 広史  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任教授 (50322805)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード脳腫瘍 / クリニカルシーケンス / 次世代シーケンサー
研究実績の概要

本研究では、低出力デスクトップシークエンサーを用いて最低限の標的遺伝子の検索を行うことで、2週間で神経膠腫の治療・予後判定に必要な遺伝子プロフィルが取得可能なクリニカルシークエンス基盤を作成する。脳腫瘍検体の適切な取扱い手順書の作成から、最終的には遺伝子プロファイルに臨床情報を加味して遺伝子診断報告書を作成する解析ソフトウェアの開発を行うことで、臨床検査室で実施可能な解析パイプラインを樹立することで、脳腫瘍の個別化診断・治療の推進を行うことを目的としている。
本研究では、以下の3つの項目を実施する予定である。1)クリニカルシークエンスのための脳腫瘍検体の処理、保管方法の検証 2)神経膠腫の標的遺伝子パネルの選定と、LOH検出方法の確立 3)診療情報との統合解析によるクリニカルシークエンス解析パイプラインの構築
当該年度においては、これまで使用してきたGlioma専用パネルに加えて、固形腫瘍に汎用しているComprehensive cancer panelにおいて、Gliomaに特徴的な遺伝子異常をとらえられるか、検証した。
10症例のGlioma(疑いを含む)を用いて、160遺伝子を対象としたAmplicon sequenceにて解析した結果、3症例において、1p19q co-deletion, IDH1 R132H変異の検出に成功した。これらの結果は、組織病理学的診断と整合性が取れており、正しく評価できているものと判断した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究では、以下の3つの項目を実施する予定である。
1)クリニカルシークエンスのための脳腫瘍検体の処理、保管方法の検証
2)神経膠腫の標的遺伝子パネルの選定と、LOH検出方法の確立
3)診療情報との統合解析によるクリニカルシークエンス解析パイプラインの構築
2017年度、2018年度において上記の1)2)は終了し、3)についてもすでに解析を開始しているため、2019年度の早い段階で目標を達成できるものと考えている。

今後の研究の推進方策

2019年度は、以下の内容を実施する。
3)診療情報との統合解析によるクリニカルシークエンス解析パイプラインの構築
患者の治療データと、得られた遺伝子プロファイルを照合し、どの程度正確に予後、治療反応性を予測できたかを検証し、その結果を踏まえて、最終的な解析パイプラインを構築する。
①治療反応性、RFS(無再発生存期間)と、SNV, LOHデータの臨床統計解析を行う
②報告書のアウトプットとして有用なアノテーションを確定させる
パイロットデータはそろっており、あとは30症例を目標として解析を行い、パイプライン構築を完了する予定である。また、これらの結果を英文論文としてまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

20円の繰り越しが発生したが、概ね、研究費は計画通りに使用しており、次年度についても、ほぼ当初の研究計画通りに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] “PleSSision”; a Pathologist edited Multigene Genomic Test promotes Cancer Precision Medicine.2018

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Nishihara
    • 学会等名
      The 11th International Conference of Clinical Laboratory Automation and Robotics; Cherry Blossom Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ゲノム診断における病理医の関与(遺伝子パネル検査における病理医の重要性)2018

    • 著者名/発表者名
      西原 広史
    • 学会等名
      第107回日本病理学会総会 ワークショップ
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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