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2018 年度 実施状況報告書

膠芽腫の再発形式の予測に有用な分子マーカーの同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K10856
研究機関山形大学

研究代表者

園田 順彦  山形大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90302140)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードGlioblastoma / recurrence pattern / CD133 / SVZ
研究実績の概要

目的)膠芽腫は予後不良な代表的な脳腫瘍の一つであり、差肉眼的、画像上全摘出を行っても高率に摘出腔周囲からの局所再発を来たす。したがって現在の治療の主体は局所再発予防目的の放射線療法・徐放性抗がん剤留置といった治療である。しかしながら、近年局所性後の効果と思われる遠隔再発がわずかずつ増加している。そこで今回、膠芽腫の再発形式に関与する因子を明らかにする目的で以下の研究を行った。研究方法)167例の膠芽腫を対象に解析を行った。治療前の造影MRI上を使用し、SVZ Ctxに病変が及んでいるかを判定し4型に分類した。再発時の造影MRIより再発の形式をlocalとremoteに分類した。CD133の発現率を免疫組織染色を用い計算した。結果)MRI上type 1(SVZ+,Ctx+) 21%、type 2(SVZ+,Ctx-) 30.5%、type 3(SVZ-,Ctx+) 32.9%、type 4 (SVZ-, Ctx-) 15.6%に分類された。 中央値 24.3か月のフォロー期間で140例が再発し、local 62.8%, distant 21%であった。 CD133の発現率はtype毎での有意差は認められなかったが、SVZ+でSVZ-より有意に高値であった。再発形式と腫瘍の局在に明らかな差は認めなかったが、type 3で遠隔再発が多い傾向があった。CD133の発現はdistant recurrenceが有意にlocal recurrenceした症例に比較し高値であった。さらにCD133発現が高値でかつtype 3に存在する腫瘍が、明らかに遠隔再発のリスクが高いことが明らかになった。また、全生存期間と関連を認めた因子として年齢、手術摘出度、CD133が同定されたが、多変量解析では明らかなものは認められなかった。考察)以上より CD133の発現と腫瘍の局在を併せて解析することによりより、正確に腫瘍の再発形式を予測できる可能性が示唆された。 今後 局所再発に関与されると考えられているCD40を併せて解析し、さらに精度を向上させる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度までに解析対象の画像評価、CD133の発現率、分子生物学的解析を終了できた

今後の研究の推進方策

現在 もう一つの幹細胞マーカーとして知られているCD40を用い解析をおこなっている。CD40はより局所再発に関与すると予想され、両者の組み合わせがより再発形式の予測において有用な可能が高い。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗が予測より良好だったため、必要な試薬代等に残余が出たこと。成果発表を今年度行わなかったため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Treatment outcomes of hypofractionated radiotherapy combined with temozolomide followed by bevacizumab salvage therapy in glioblastoma patients aged > 75 years.2018

    • 著者名/発表者名
      Matsuda KI, Sakurada K, Nemoto K, Kayama T, Sonoda Y.
    • 雑誌名

      Int J Clin Oncol.

      巻: 21 ページ: 820-825

    • DOI

      10.1007/s10147-018-1298-z.

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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