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2017 年度 実施状況報告書

次世代覚醒下脳手術を応用した共感性ネットワークの解明と温存

研究課題

研究課題/領域番号 17K10859
研究機関金沢大学

研究代表者

木下 雅史  金沢大学, 医薬保健研究医域医学系, 講師 (50525045)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード共感性 / 覚醒下手術 / グリオーマ / ファンクショナルMRI
研究実績の概要

3年間の段階的研究のうち、1年目に予定されていた下記について遂行中、施行直前の段階である。
1. 「共感性」の術中評価タスクの新規作成と正当性の検討:正常成人を対象とした共感性タスク作成用の標準データを収集し、覚醒下手術に適した術中タスクを作成した。予定していた感情を表現する表情写真は様々な感情を取り込み8項目からの選択とした。さらには信頼度スケールを追加し、術中の意識減損の評価を合わせて行うこととした。2. 右前頭葉グリオーマ患者における「共感性」タスクを用いた術中評価:2症例において術中評価を行い、安全に施行であった。うち1症例において、想定していた皮質において陽性所見を得たことから、術中タスクの有用性が示唆された。しかし、選択される表情写真に偏在性を認めたことから、安定したタスク評価結果の解釈のため、さらなる改良が必要と考えられた。3. 右前頭葉グリオーマ患者における「共感性」タスクを用いた術中評価:前述2の段階であり、今後の予定として計画中である。4. 「共感性」神経ネットワーク評価:拡散テンソルトラクトグラフィ、脳機能MRI、脳磁図:データ収集中である。
共感性と神経ネットワークAの関係について:上記2の研究において、共感性タスクにて陽性所見が得られた領域は白質神経線維Aの終着する皮質であった。症例数は少ないものの、予備研究段階にてトラクトAと共感性との関連が示唆される結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

術中の共感性タスクの妥当性について評価中であり、タスク完成から機能評価段階まで残り1症例において検討が必要である。そのため、まだ術中評価から平成30年度から計画されている機能画像解析の段階まで至っていない。

今後の研究の推進方策

術中の共感性タスクを完成させた後、予定通り前頭葉グリオーマ症例における共感性の術中評価を行っていく。平成30年度から予定通り機能評価を連続20症例に対して行う。データ集計、画像解析に関して、まず前半の10症例において下記の解析を行い、残り10症例において計画の研究継続を行うかどうかについて検討を加える。
1. 「共感性」陽性領域のマッピング
2. 「共感性」と神経線維Aが関わる役割の検討
前半10症例において予想していた結果が得られないと判断した場合、それまでに得られたデータを用いて他の神経線維ネットワークを対象とした研究の再計画を行う。

次年度使用額が生じた理由

2017年度の論文投稿が予定より少なく、2018年度の論文投稿費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Neural Networks Mediating High-Level Mentalizing in Patients With Right Cerebral Hemispheric Gliomas2018

    • 著者名/発表者名
      Nakajima Riho、Kinoshita Masashi、Okita Hirokazu、Yahata Tetsutaro、Matsui Mie、Nakada Mitsutoshi
    • 雑誌名

      Frontiers in Behavioral Neuroscience

      巻: 12 ページ: 33

    • DOI

      10.3389/fnbeh.2018.00033

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Damage of the right dorsal superior longitudinal fascicle by awake surgery for glioma causes persistent visuospatial dysfunction2017

    • 著者名/発表者名
      Nakajima Riho、Kinoshita Masashi、Miyashita Katsuyoshi、Okita Hirokazu、Genda Ryoji、Yahata Tetsutaro、Hayashi Yutaka、Nakada Mitsutoshi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 17158

    • DOI

      10.1038/s41598-017-17461-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 覚醒下手術の実際2017

    • 著者名/発表者名
      中田光俊, 木下雅史
    • 雑誌名

      脳神経外科速報

      巻: 27 ページ: 1039-1045

  • [雑誌論文] 右前頭葉の機能局在と覚醒下手術2017

    • 著者名/発表者名
      中田光俊, 木下雅史, 中嶋理帆, 篠原治道
    • 雑誌名

      Jpn J Neurosurg

      巻: 26 ページ: 657-667

  • [雑誌論文] グリオーマに対する覚醒下手術2017

    • 著者名/発表者名
      木下雅史
    • 雑誌名

      日本脳神経財団ぶれいん

      巻: 128 ページ: 6-7

  • [学会発表] 言語機能温存を目的とした前頭葉グリオーマ摘出限界の同定2017

    • 著者名/発表者名
      木下雅史、中嶋理帆、沖田浩一、宮下勝吉、中田光俊
    • 学会等名
      第35回日本脳腫瘍学会学術総会
  • [学会発表] Maximal and safe resection of glioblastoma provided by awake craniotomy2017

    • 著者名/発表者名
      Masashi Kinoshita, Katsuyoshi Miyashita, Shingo Tanaka, Riho Nakajima, Mitsutoshi Nakada
    • 学会等名
      14th Asian Society for Neuro-Oncology (ASNO) Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Maximal resection of frontal glioma corresponding to verbal fluency2017

    • 著者名/発表者名
      Masashi Kinoshita, Riho Nakajima, Katsuyoshi Miyashita, Mitsutoshi Nakada
    • 学会等名
      The 76th Annual Meeting of the Japan Neurosurgical Society
  • [学会発表] 再発膠芽腫に対する覚醒下手術について2017

    • 著者名/発表者名
      木下雅史、一ノ瀬惇也、中嶋理帆、沖田浩一、宮下勝吉、中田光俊
    • 学会等名
      第15回日本Awake Surgery学会
  • [学会発表] 覚醒下手術を用いた拡大前側頭葉切除術の有用性2017

    • 著者名/発表者名
      木下雅史、一ノ瀬惇也、中嶋理帆、宮下勝吉、中田光俊
    • 学会等名
      第22回日本脳腫瘍の外科学会
  • [学会発表] VBM解析が示唆する膠芽腫に対する覚醒下手術の有用性2017

    • 著者名/発表者名
      木下雅史、玉井 翔、宮下勝吉、中田光俊
    • 学会等名
      第40回日本脳神経CI学会総会
  • [学会発表] トラクトグラフィと覚醒下マッピングを用いた経皮質アプローチへのこだわり2017

    • 著者名/発表者名
      木下雅史、田中慎吾、宮下勝吉、中田光俊
    • 学会等名
      第41回日本脳神経CI学会総会
  • [図書] 機能的脳神経外科診療ガイドブック(メジカルビュー社)2018

    • 著者名/発表者名
      木下雅史, 中田光俊
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      覚醒下手術と脳機能

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公開日: 2018-12-17  

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