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2019 年度 実績報告書

グリオーマ上皮間葉転換と治療抵抗性の機序解明- 薬剤耐性と幹細胞性維持への関与

研究課題

研究課題/領域番号 17K10860
研究機関山梨大学

研究代表者

川瀧 智之  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20303406)

研究分担者 齋藤 正夫  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90345041)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード膠芽腫 / 浸潤 / 上皮間葉転換 / ZEB / ベバシズマブ
研究実績の概要

ヒト膠芽腫細胞株を用いた定量的PCRやウェスタンブロッティングの結果より、上皮間葉転換(EMT)への転写因子としてZEB1およびZEB2の高発現を確認した。この発現は、これまで高発現とされていた乳がんの悪性細胞株よりもはるかに発現レベルが高く。これらの細胞株におけるEMT関連転写因子の高発現が示唆された。これらのタンパク発現は、ヒトグリオーマ組織を用いた免疫染色でも発現が認められ病理学的悪性度との相関が明らかになった。発現レベルは、膠芽腫で高い傾向を認めた。浸潤能が高い場所での発現レベルの有無に関しては、今後の課題である。
また、浸潤能とZEB1/2の転写因子の阻害により細胞株を用いた浸潤能試験では、抗浸潤効果が相乗的あるいは付加的に認められた。両者のsiRNAによるtransmigration assayでは、約90%の浸潤能が抑制された。以上より、ZEB1とZEB2は、相乗的にグリオーマの浸潤能に関与していると考えられた。
一方、in vivoにおけるマウス皮下移植モデルでは、腫瘍の増大には、明らかな相乗効果が見いだせなかった。このことは、浸潤能が抑制された上皮系の形質を持ったグリオーマ細胞が、局所増殖に有利な環境を構築している可能性があるため、さらなる検証が必要である。また、薬剤抵抗性については、ベバシズマブ誘導性浸潤との関連が示唆された。ベバシズマブや抗腫瘍薬の投与によりin vivoでの抗腫瘍効果についてもさらなる解析が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] グリオーマにおけるZEB1/2の発現と浸潤能および病理学的悪性度との相関2019

    • 著者名/発表者名
      川瀧智之、鈴木景子、齋藤正夫、宮澤恵二、木内博之
    • 学会等名
      第19回日本分子脳神経外科学会

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公開日: 2021-01-27  

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