研究課題/領域番号 |
17K10877
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
宮武 伸一 大阪医科大学, 医学部, 特別職務担当教員(教授) (90209916)
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研究分担者 |
近藤 夏子 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (00582131)
川端 信司 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (20340549)
道上 宏之 岡山大学, 中性子医療研究センター, 准教授 (20572499)
古瀬 元雅 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (70340560)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | BNCT / bevacizumab / 再発悪性神経膠腫 / 放射線脳壊死 |
研究実績の概要 |
再発悪性グリオーマの予後は不良であり、標準治療は存在しない。ことに予後不良再発群(J Clin Oncol 25:2601-2606, 2007,以下JCO RPA 3+7群)は、再発後に何らかの補助治療を施行してもその治療以降の生存期間中央値が4.4ヶ月と極めて不良である。この予後不良再発悪性グリオーマに対象を絞って、その予後を改善するために、二つの治療、すなわちホウ素中性子捕捉療法およびベバシズマブ投与のコンビネーションによる臨床試験を行い、その治療効果を明らかにし、ひいては将来の加速器中性子源を用いた再発悪性グリオーマに対する標準治療への布石にすることが本研究の目的である。 平成29,30年度とも以下のプロトコールに従い、再発悪性グリオーマ(MG)予後不良群(JCO,RPA 3+7群+Bev使用後再発群)に対して、原子炉BNCTを施行し、その2-4週後より、Bev10mg/kg, biweekly の投与をRANOの診断基準での悪化まで継続し、全生存(OS)を主要評価項目として、single arm, 第二相臨床試験を行う。以上の研究計画を実施予定としており、プロトコールの確立を医療イノベーション推進センター(旧称臨床研究情報センター)とともに行い、CRFも作成し、電子入力システムを構築した。平成29年8月に京都大学原子炉(KUR)が再開後、UMIN上にも本臨床試験を公開し、患者entry を開始したが、その直後からKURが施設上の不具合が発生し臨床試験を2ヶ月間休止せざるを得なかった。現在までに4例の症例のentry を行い、follow-up中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度はプロトコールの確立を医療イノベーション推進センター(旧称臨床研究情報センター)とともに行い、CRFも作成し、電子入力システムを構築した。平成29年8月に京都大学原子炉(KUR)が再開後、UMIN上にも本臨床試験を公開し、患者entry を開始したが、その直後からKURが施設上の不具合が発生し臨床試験を2ヶ月間休止せざるを得なかった。11月再開後4例をentry し、試験治療を行ない、現在follow-up中である。さらに数例の候補患者のscreeningを行ったが、臨床検査値が基準に達せず、また平成31年2月よりKURが保守点検期間に入り、平成31年8月から再開予定であり、その再開を待って臨床試験のentry を行なう予定である。
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今後の研究の推進方策 |
各種学会で本臨床試験の発表を行い、その周知を心がけ、かつ当研究開発者が行なっている複数の臨床試験のアナウンスとともに、電子メールで発信し、本臨床試験の周知に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入キャンセルが生じたため。次年度は消耗品購入に充当する予定である。
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