研究課題/領域番号 |
17K10879
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
黒岩 敏彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30178115)
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研究分担者 |
梶本 宜永 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30224413)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 光線力学療法 / 悪性神経膠腫 / 5-アミノレブリン酸 / プロトポルフィリンIX / 組織内照射 |
研究実績の概要 |
第1相臨床試験の研究デザインを以下のごとく策定した。対象は、悪性グリオーマ(GradeIII, GradeIV)の初発および再発症例とする。主要評価項目は、iPDT 後2週間以内に発現したCTCAEのGradeIII、IVおよびVのTEAEsの発生とする。副次的評価項目は、被験者の精神的/身体的コンディション評価としては、医師が実 施する項目として、MMSE、NIHSSを評価する。また、無増悪生存期間およびOver all servivalも有効性の指標として評価する。 選択基準としては、腫瘍の最大径を40 mm未満とする。遺伝子について(IDH 変異の有無)は術中に確認困難であることから除外基準には含めない。初発例の標 準治療は、放射線(60Gy)+temozolomideとする。再発例において、ギリアデル使用後再発は組み入れ可能とする。iPDT 後は、増悪するまではアバスチン使用を制 限する。これは、iPDT の治療効果が確認できないためである。 照射システムとしては、照射する光ファイバーの本数は最大16本とする。しかし、1台の光源照射装置の最大接続本数は8本なので照射装置は2台必要とな る可能性が高い。光ファイバーのディフューザーは10、20、30、40 mmが利用可能である。定位装置はCRWを使用する。位置決めプログラムは、Medtronic製を用 いる。照射中は、光ファイバー間でPpIX蛍光を分光蛍光装置でモニターし、photobleachingを確認する。 今後の詳細や照射装置の提供に関して、SBIファーマと協議する。また、照射線量計画システムは、大阪大学 工学部 粟津研究室と共同にて開発中である。更に、照射用の光ファイバーに関しては、メーカーと共同で、光感受性物質の3次元分布のモニタリングが可能なものを開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 照射線量計画システムが未完成であり、Medtronic社製のナビゲーションシステムとの連携が順調に推移できるかが今後の進展において問題点となる。
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今後の研究の推進方策 |
臨床試験の開始が遅れているために、試薬代や光ファーバー代等の支出が無かったためである。本年度中に、照射システムのソフトおよびハード面の完成を目指 し、年度末からの臨床試験の開始を目指している。また、照射精度を著しく向上可能な、新型のディフューザー型の光ファイバの開発にとりかかることで実現性を高める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
照射線量計画ソフトの開発が遅延しているために、臨床試験の開始が遅れ、次年度使用額が生じた。ソフトの開発や照射用光ファイバー開発ができ次第、臨床研究を開始するため、その費用に使用していく予定である
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