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2018 年度 実施状況報告書

悪性神経膠腫蛍光ガイド下手術での定量化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K10883
研究機関旭川医科大学

研究代表者

安栄 良悟  旭川医科大学, 医学部, 講師 (80301985)

研究分担者 田村 有希恵  旭川医科大学, 医学部, 助教 (30723879)
鎌田 恭輔  旭川医科大学, 医学部, 教授 (80372374) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード5ALA / quantification / glioma / realtime / malignant index
研究実績の概要

悪性神経膠腫摘出術にリアルタイムで5ALA蛍光強度を相対値測定法により定量化し病理組織を採取。既に49例の手術標本から組織を採取したが、同一症例に組織の変化が認められたものは現在のところ13例で認められている。定量化した蛍光強度とPp9含有量の相関性は日本語論文(CI研究2018)に掲載され、英語論文(clinical neurology and neurosurgery,2019)に掲載予定である。現在のところ腫瘍組織と非腫瘍組織との境界は定量値5~7の間に認められている。実際、MRI非造影部分からの採取であっても定量値が7を超えていれば腫瘍組織が認められている。これは、従来行われている腫瘍摘出率の計算方法ではGTRとされているものでも実際には腫瘍の核のみを採取している可能性を示唆している。さらにFLAIR高信号であっても定量値が5を下回れば非腫瘍組織であること示唆しており、glioma手術におけるsupratotal resectionが必ずしも妥当ではないことを示唆している。これについてはCI学会でのシンポジウム、およびCNTT学会でも発表を行っている。さらに、脳室近傍では蛍光強度が高まることが従来から示唆されているが、これが播種を意味しているのかいまだ不明である。蛍光強度定量化に加えフローサイトメトリーを用いてmalignant indexの測定も開始している。脳室においてはmalignant indexは蛍光強度に反して高値を示さず、蛍光反応は播種を意味していないことを示唆している。今後はさらにmalignant indexとの相関を検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

悪性神経膠腫の術中に腫瘍部分と非腫瘍部分の境界が、我々のリアルタイム蛍光定量化により5~7の間であることが判明してきた。これにより肉眼では判別不能な腫瘍境界をリアルタイムで認識できる展望にたどり着きそうである。さらにフローサイトメトリーを用いることを導入しており、この定量化でのピットフォールであった脳室近傍に対しても高い精度で腫瘍と非腫瘍の境界部分を見出すことが可能と考えられる。

今後の研究の推進方策

現在、定量化に加えフローサイトメトリーによるリアルタイムmalignant indexを導入中である。これにより非腫瘍性病変でも蛍光反応をしめすピットフォールに対し修正を加えることが可能になり、より高い精度での腫瘍境界部分をリアルタイムに示すことが可能になると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

蛍光反応定量化に加えフローサイトメトリー機器レンタル並びに試薬代に使用する予定である。これによりmalignant index測定を行い精度の強化を図る。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Real-time quantification of tumor-related fluorescence during neurosurgery: a preliminaryreport2019

    • 著者名/発表者名
      Kyousuke Kamada, Ryogo Anei, Ken Kodama, Yuya Kitajima, Masahiro Ishizuka, Satoru Hiroshima, Hirosi Ogawa, Yukie Tamura, Fumiya Takeuchi
    • 雑誌名

      Clinical Neurology and Neurosurgery

      巻: 181 ページ: 9-97

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 5-ALA蛍光ガイド下手術における術中リアルタイム定量化の意義2018

    • 著者名/発表者名
      安栄良悟、田村有希恵、小川博司、広島覚、竹内文也、石塚昌宏、児玉建、鎌田恭輔
    • 雑誌名

      CI研究

      巻: 40(1) ページ: 17-22

    • 査読あり
  • [学会発表] 5ALA蛍光強度定量化による術中リアルタイム組織モニタリングへの展望2018

    • 著者名/発表者名
      安栄良悟
    • 学会等名
      第41回 日本脳神経CI学会総会
  • [学会発表] 顕微鏡下リアルタイム5ALA蛍光定量化による  リアルタイム組織モニタリングへの展望2018

    • 著者名/発表者名
      安栄良悟
    • 学会等名
      第27回脳神経外科手術と機器学会

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公開日: 2019-12-27  

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