研究課題/領域番号 |
17K10883
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
安栄 良悟 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80301985)
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研究分担者 |
田村 有希恵 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (30723879) [辞退]
鎌田 恭輔 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80372374) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 5ALA / malignancy index / glioma |
研究実績の概要 |
5ALAリアルタイム蛍光強度システムを確立した。術中の赤色蛍光強度を分光器でリアルタイムに定量化し、採取した組織中のPpⅨ含有量を測定、客観的な蛍光強度とPpⅨ含有量との関係を明らかにした。9症例37検体(膠芽腫5例24検体、退形成性乏突起細胞腫1例3検体、髄膜腫1例7検体、神経鞘腫1例2検体、転移性脳腫瘍1例1検体)では、PpⅨの含有量と蛍光強度との間にY = 1.2845x + 19.561 R2 = 0.5199、膠芽腫24検体ではY = 1.0708x + 28.113 R2 = 0.4782と正の相関が認められた。さらに同一症例内で病理学的な変化のあった6症例、18検体では肉眼でも強蛍光を示した3症例でpeak値5~7周辺で腫瘍と非腫瘍組織の境界が示された。これにより術中リアルタイムに肉眼的には判別不能な膠芽腫境界を判断することが可能となった。しかし膠芽腫の摘出度はMRIの造影病変をもとに算出され予後との相関が論じられているが、このシステムより造影病変外側にも腫瘍組織が存在していることが判明した。そこでMRIでの造影病変辺縁の細胞核DNA量を高DNA量測定装置フローサイトメトリーを導入し解析した。造影病変辺縁部にフェンスポストを留置、同部と腫瘍内側および外側側から検体を採取しMIを測定すると造影病変外側辺縁部をピークとした勾配傾向がみられた。この現象は腫瘍中心部にいくほどネクローシスが混在しMIが低下すると考えられる。これにより肉眼的には判別不能な膠芽腫手術において造影病変辺縁部と腫瘍境界部を判別することが可能になると考えられ、今後の膠芽腫手術の成績向上に貢献したものと思われる。
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