研究課題/領域番号 |
17K10884
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永松 謙一 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40420038)
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研究分担者 |
安藤 肇史 独立行政法人国立病院機構(宮城病院臨床研究部), 臨床研究部, 研究室長 (70232098)
久永 欣哉 独立行政法人国立病院機構(宮城病院臨床研究部), 臨床研究部, 副院長 (70260338)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / ニューロモデュレーション / 直流前庭電気刺激 |
研究実績の概要 |
パーキンソン病に対する近年の薬物療法の進歩や手術治療の成績向上により、主な運動症状である無動・固縮・振戦についてはコントロール良好な期間が長くなり、それに伴い日常生活能力(ADL)の改善が得られるようになった。しかしながら、運動機能が向上する反面、治療効果の得られにくい姿勢異常や腰痛、歩行障害、バランス障害といった症状が病期の進行に伴って前面に立つようになり、これらによるADLの阻害が一層問題となっている。姿勢異常の原因の一つとして、前庭機能低下によって引き起こされている可能性を示唆する報告が近年なされている。本研究では、新しいニューロモデュレーション法として期待される経頭蓋直流電気刺激の一種である直流前庭電気刺激の、前庭機能への介入によるパーキンソン病の姿勢異常・歩行障害への効果を検討し、姿勢異常改善効果を得る為の至適刺激条件を確立するとともに、その刺激条件下において、姿勢異常および歩行障害の改善が短期的・長期的に得られるか否かについて、明らかにすることを目的としている。最終年度(2019年度)は、腰曲がりのあるパーキンソン病症例5症例に対して、前庭電気刺激とシャム刺激を用いた比較試験を行った。前庭電気刺激において、短期的な姿勢の改善が見られた患者群と変化が見られない患者群が見られ、改善群では平衡機能にも一定の改善が見られた。一方で、長期的には改善効果の継続は認められなかった。今後は、刺激の反復施行により長期的な改善効果が得られるかどうかを検討する予定である。
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