研究課題/領域番号 |
17K10885
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
樋口 佳則 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (00456055)
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研究分担者 |
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (20344997)
村井 尚之 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80241967) [辞退]
池上 史郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10436389)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Postural instability / Parkinson's disease / Spastic paraparesis / Center of foot pressure |
研究実績の概要 |
これまでの重心動揺測定のsampling rateを1000Hzとしていたものを,解析時間の短縮,頭部加速度計のsampling rateと一致させ,来年度に検討する頭部運動と重心動揺の位相解析に備えることとした.本年度は,進行期パーキンソン病,歩行障害を来す痙性対麻痺症例の測定を主に行った. パーキンソン病においては,体軸回旋反復運動の程度を表す指標は,服薬による運動症状の改善とともに増加しており,パーキンソン病でのドーパ反応性を表した結果となった. 一方,体軸回旋反復運動に伴う前後,前後方向の重心動揺は一定の傾向を認めなかったものの,体軸回旋反復運動と重心動揺の比は減少する傾向であった. 歩行障害を呈する痙性対麻痺とオフ期の進行期パーキンソン病との比較を行った.痙性対麻痺では安静開眼時の前後方向の重心動揺がパーキンソン病に比べ有意に大きかった.運動時の重心動揺に差を認めないものの,体軸回旋反復運動と重心動揺の比では,パーキンソン病で大きい傾向があり,体幹回旋反復運動による重心動揺は,パーキンソン病でより強い傾向があると考えられた. 重心動揺計測システムを更新し,さらに薬物による反応性,疾患別の重心動揺の特徴を示唆する結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は測定系の改良,測定条件の整備を行い,測定を順調に進めることが可能であった.現在も新規症例を測定しデータ解析を継続している.症例数の増加に伴いより統計学的にも十分なデータがえられることが予想される.また,経時的な計測により,治療介入による重心動揺を表すパラメータの推移を得ることができると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は症例数の増加,並びに正常圧水頭症などの他の神経疾患の測定もすすめる.各種臨床パラメーターとの相関を検証する.また,同一症例で測定を継続し,経時的な重心動揺の変化の定量的解析を進める.
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